介護施設やデイサービス職員の悩みの種といえば、「レクリエーションのアイディア出し」。
「どんなレクリエーション企画がいいのか」
「どうやってアイデアを考えたらいいのか」
レクリエーションを企画する側には、レクに関する悩みがたくさんあります。
高齢者といっても、疾患やADLの状態、性格などさまざまな人がいるため、ひとくくりにはできません。
認知症の方向けのレクや要介護度が低く比較的体が動かせる方向け、消極的だったり内向的な人のことも考慮したレクリエーションなど、さまざまなレクの内容を考える必要があります。
そんな介護職のみなさんの役に立つような、介護レクリエーションのアイディア・企画・ネタをたくさん紹介いたします!
目次
介護レクリエーションの正解?
「子ども扱いされて幼稚園児みたいなお遊戯、ゲームはしたくない!!!!!!」
と思う利用者さんもいるなかで、要介護度やADLの状況が異なる方みんなができる介護レクリエーションを企画するのは大変です。
ネット上には、以下のような質問も…。
・デイサービスで行われているレクは幼稚園児みたいだとご利用者から言われています。
みんなで楽しめるものは、得てして「みんなが楽しめないもの」になりがち。
かといって、ひとりひとりの趣向にあったレクを企画・実施するとしても、お金や時間がかかり、現実はそうもいきません。
「デイサービスで使えるレクのアイディアを教えてください」
「○人程度で行えるレクが知りたい」
「定期的にまわってくるレク担当が憂鬱…」
などなど、レクリエーションの企画に悩む介護士さんの声は多く聞かれます。
そこでこの記事では、「明日からつかえる介護レクリエーションのアイディア」をご紹介します!
どれも簡単にできるレクばかりなので、ぜひぜひ試してみてくださいね!
介護レクリエーションアイディア ゲーム編
まずは、定番のゲーム編です。
盛り上がること間違いなし!のゲームを紹介します。
ストロー吹き矢

ストローで作った矢を、壁に貼られた的に向けて吹きます。
【効果】
吹き矢を吹くには腹式呼吸を用いるため、心肺機能の向上につながる
吹き矢の筒を口に咥える⇒口の周辺筋肉のストレッチになる⇒口腔ケアにつながる
的を狙う⇒集中力の強化
【吹き矢の作り方】
- 太さの異なるストローを用意します。
- 細いストローを4cm~5cmの長さに切り、片方の端を1cmほど折り曲げ、テープで固定します。
- 太いストローの中に、細いストローを差し込みます。細いストローが矢になります。
- 大きな紙に円を描き、的として壁に貼り付けます。点数は描いても描かなくてもOK。
太いストローの長さを変えることで飛距離の調整ができます。
長い方が距離ができますので、肺活量の少ない方にはオススメ。
お手玉くずし

先端にボールのついた棒を揺らして、丸イスの上に積み上げられたお手玉を床に落とすゲーム。
【効果】
棒の揺らし方・ボールを当てるタイミングを考える⇒判断力・思考力を養う
揺らし棒を振る⇒上肢の運動能力向上・維持
【お手玉くずしの手順】
- 参加者を円の隊形にし、円の中央に置いた丸イスにお手玉を30個程度積み上げます。
- 振り子棒をひとりに1本配り、順に振り子棒を揺らして中央のお手玉に当てて落としていきます。
丸椅子の高さが上がるに応じて、難易度が上がります。
カーリング
近年人気の高まっているカーリング。平昌オリンピックでも大活躍でしたね。
ここでは、テーブルで行えるカーリングと床で行えるカーリングを紹介します。
テーブルカーリング 卓上でできるカーリング

テーブル上で、点数がついている的をめがけて紙コップやお手玉を転がします。
キックカーリング

床に点数をかいた的を置き、的をめがけてボールやお手玉などを蹴ります。
車輪をつけた台座をストーン代わりにしてもよいです。
ホワイトボードを使ったレク
ホワイトボードを使ったレクは手軽でできるため、重宝されるでしょう。
ここでは、3つのホワイトボードレクを紹介します。
お料理あてクイズ

ホワイトボードに、ある料理を作るために必要な材料を書いていきます。
1つずつ材料を追加していき、何の料理ができるかを当てるゲームです。
同じ料理名でも、ご家庭や地域によって使用する材料が異なることがあるため、「我が家では〇〇を入れる」などと話が盛り上がるかもしれません。
並び替えクイズ

言葉をバラバラに書き、並び替えると何の言葉になるかを当てるゲームです。
今日のお鍋はなんだろな? チーム対抗

- 参加者全員に鍋の具材になりそうなものを言ってもらい、ホワイトボードに書いていきます。
- 具材がでそろったら、そこから5~6品にしぼります。
- 具材が決まったら、チームで買い物に行くと仮定して、それぞれ1品買いたい具材をみんなに分からないように紙に書いてもらいます。
- 鍋の具材の種類が多くて、かつ美味しそうな鍋ができたチームが勝ちです。
レクリエーションアイデア 料理・園芸・小物編
昔やっていた人も多いお料理や園芸、小物づくりのレクリエーション。
体が覚えているという利用者さんも多く、人気の高いレクのひとつです。
料理

料理レクリエーションでは、季節を感じられる料理が多いです。
春は桜餅、5月にはかしわ餅、秋はスイートポテト、冬は干し柿、お彼岸にはおはぎなどです。
施設で栽培した野菜を収穫し、その野菜を使って料理をしている施設もあります。
畑で野菜を育てている施設では、レクリエーションというより農業といえるほど。
かつて農業をされていた方々は、高齢になり力が衰えたとはいっても、若いスタッフよりも鍬の振りおろし方や畑の耕し方が上手だといいます。
園芸

園芸は年を重ねるにつれ好きな人が増えてくるため、高齢者のレクリエーションに最適です。
土づくりや水やり、花を植えるなどの手を動かす行為で、リハビリ効果もあります。
牛乳パックで小物づくり

牛乳パックに布やフェルト、飾りなどをボンドで貼ります。
牛乳パックを平らにした場合は、箱の形にして、リボンやひもで結んで、出来上がり!
デザインを考えるときに脳が活性化し、個性も発揮できます。
【月別レクアイデア】季節感を出して飽きのこないレクを!
どんな時期でも使えるレクは便利ですが、そればかりでは利用者さんも飽きてしまいます。そこで、月ごとに使える季節感のあるレクリエーションも紹介します。
詳細は、各月の右側にある画像をクリック!
4月 【お花見】 |
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5月 【こいのぼり】 |
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6月 【梅雨を楽しむ】 |
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7月 【七夕レク】 |
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8月 【夏祭り】 |
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9月 【お月見レク】 |
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10月 【運動会】 |
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11月 【紅葉狩り】 |
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12月 【クリスマス】 |
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介護レクリエーションに関するサイト
介護レクリエーションのアイディアについて紹介しているサイトをまとめてみました。
公益財団法人日本レクリエーション協会

「頭をつかうもの」「体を動かすもの」など、ジャンル別にまとめられています。
介護レク広場

レクリエーションで使える素材・アイディア・情報が探せます。
塗り絵やゲームのダウンロードには会員登録(無料)が必要です。
介護レク村MARKET

- 介護レク村MARKET
介護向けレクリエーションネタ(素材)を共有するウェブサービスで、会員登録が必要です。
介護レクリエーションのネタ、リハビリのノウハウなどを売買することができます。(一部無料あり)
楽しんでもらえたり、人気だったレクネタを登録して販売するとポイントが付与され、ポイントは換金することもできます。
介護レクリエーションに関する雑誌
介護レクリエーションについて紹介している雑誌を紹介します。
介護レク広場.book

WEBサイト『介護レク広場』と同じ運営会社であるBCC株式会社が発行する雑誌です。
購入を希望する方はこちらのホームページからどうぞ→介護レク広場.book

レクリエ

世界文化社より出版されている高齢者介護をサポートするレクリエーション情報誌です。
季節の制作、ゲーム、音楽、おりがみ、園芸、料理など、さまざまなジャンルのものを紹介しています。
購入を希望する方はこちらのホームページからどうぞ→レクリエ
介護レクリエーションにおける注意点
ウォーミングアップを忘れずに
突然高齢者の身体を動かそうとすると、事故や怪我のもととなります。
グループ作りが重要
経験や生活背景が違う人を同じグループにすると楽しめない場合があるので、メンバーの組み合わせは重要です。
肝心のレクの内容
認知症でも大人の意識は残っていますので、あまりにも子どもっぽいゲームは控えましょう。
利用者のプライドを傷つけない
高齢者は関心があっても自信がないことには手を出したがらない傾向にあるため、有効な声かけを。
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さいごに 介護レクリエーションに向いている人って?
介護レクリエーションについて、「歌や踊り、ゲームなどを仕切って場を盛り上げられる自信がない」「マイクをもって大声を出すのが恥ずかしい」などの悩みを持つ方も少なくありません。
内向的な性格だったり、積極的に人とコミュニケーションをとるのがあまり得意でない人の場合、常にテンションを高くして利用者さんと接することが多いデイサービスの仕事に精神的に疲れてしまいがちに。
なかには、「自分に適性がない」と感じてしまう人もいます。
それは、決して介護の適性がないのではなく、介護のイチ業務内容や運営方針があわなかっただけです。
じっくり一人ひとりと関わることや、利用者さんのサポート役に徹することのほうが向いている可能性もあります。
デイサービスの場合、明るく元気に、快活に、ハツラツと、という雰囲気のところも多く、そういう環境が苦手な人も珍しくありません。
介護の施設形態はさまざまありますので、レクリエーションが少ないサ高住や訪問介護など、自分にあった職場を選ぶことが大切ですね。
