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障害福祉サービスで活躍!サービス管理責任者(サビ管)とは?なり方・給料・サ責との違いを徹底解説

サービス管理責任者とは_アイキャッチ

障害福祉サービスのまとめ役「サービス管理責任者」。
利用者の個別支援計画の作成をしたり、他の職員への指導を行ったりするなど、サービス提供プロセス全般の管理を担います。

多くの仕事をこなすサービス管理責任者(以下、サビ管)。その資格要件が、2019年度から変更になります。
新たな研修制度になるため、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、サビ管の新しい研修制度を中心に、給料やサービス提供責任者との違いなどをわかりやすく解説します。
また、現在サビ管として働いている方にも必要な情報を盛り込んでいますので、ぜひご一読ください。

サービス管理責任者とは

サービス管理責任者とは、障害福祉サービスの分野で利用者の個別支援計画を作成してアセスメント・モニタリングを行ったり、他の職員へ指導を行ったりするなど、サービス提供プロセス全般を管理する人。通称「サビ管」と呼ばれています。
管理職や指導者がサビ管を務めることが多く、障害福祉サービスの中心的存在として活躍しています。

障害者総合支援法において、新たにサービス事業所ごとにサビ管の配置が義務付け(※注1)られました。

注1:旧体系サービスでは、サビ管の配置義務はありません

どんなことをするの?サービス管理責任者の仕事内容

多くの障害福祉サービスにおいて配置が義務づけられているサビ管。仕事内容は、どのようなものがあるのでしょうか。
以下、サビ管の仕事内容をまとめました。

  • 個別支援計画の作成
  • 適切な支援内容を検討
  • 面接をして利用者の生活や課題等の把握(アセスメント)を行う
  • 個別支援計画作成に係る会議を開催
  • 利用者や家族に対し個別支援計画の説明と同意を得る
  • 個別支援計画の実施状況の把握(モニタリング)を行い、記録する
  • 個別支援計画の変更(修正)
  • 支援に関する機関と連携し、利用者状況を把握
  • 自立生活が可能な利用者へ必要な援助
  • 他の職員への技術指導と助言

参考:厚生労働省『3.サービス管理責任者について』

サビ管は、いわば障害福祉サービス提供においてのまとめ役
その仕事内容は、個別支援計画の作成や利用者それぞれと面接・アセスメントの実施、支援状況を把握するためのモニタリングの実施・記録など、多岐にわたります。
さらに、利用者だけでなく、その家族に個別支援計画の説明・同意を得たり、支援に関わる機関が参加する会議を主催し、支援内容を話し合ったりします。
また、人材育成も仕事のひとつ。
職員に対して、技術的な指導や助言を行い、サービスの質を高める役割も求められています。

2019年年度より新体系へ!サービス管理責任者の資格要件

2019年よりサビ管の資格要件が改定される予定です。
以下では、現行の資格要件と新体系へ改定後(2019年度~)の資格要件を紹介します。

現行のサービス管理責任者の資格要件

現行制度でサビ管になるには、必要な実務経験を満たし、「相談支援従事者初任者研修講義の一部」と「サービス管理責任者等研修共通講義・分野別演習」を受講する必要があります。
現行の実務要件の詳細は、各都道府県のホームページを参考にしてみてください。

新体系へ改定後(2019年度~)のサービス管理責任者の資格要件

段階的なスキルアップを図れるように、既存の研修が基礎研修へと変わり、新たに実践研修、更新研修が創設されました。実践研修と更新研修を受講するには一定の実務経験(※注5)が必要となります。
新体系は2019年度より開始予定。旧体系研修受講者は2023年度末までに更新研修の受講が必要です。

※注1:直接支援業務が10年から8年に緩和。基礎研修は、2年未満の実務経験でも受講が可能
※注2:分野別に研修を実施し修了した分野のみ従事できたが、改定後は全分野を統一。共通の研修が実施され、全分野のサービス従事が可能に
※注3:実務要件を満たした者のみサービス管理責任者として配置可能だったが、改定後は実務経験2年未満の基礎研修修了者も、2人目のサービス管理責任者としての配置と個別支援計画の作成が可能に
※注4:2024年度末まではカリキュラムの一部を割愛。6時間程度に短縮して実施可能
※注5:実践研修を受講するには、過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援業務の実務経験が必要。
更新研修を受講するには、以下2点のどちらかを満たす必要がある。
①過去5年間に2年以上のサービス管理責任者等の実務経験がある または②現にサービス管理責任者等として従事している

参考:厚生労働省『サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の見直しについて』

必ず確認すべし!資格要件改定後の3つの変更点

サビ管の研修制度が見直され、以下の3つの要件が緩和されました。

  1. 実務経験の一部緩和
  2. 配置時の取扱いの緩和
  3. 研修分野統合による緩和

3つの変更点について、現行制度と比較しながらみていきましょう。

サービス管理責任者の研修制度の3つの変更点
現行 見直し後
①実務経験の一部緩和 ・実務経験を満たした後に研修受講 
・相談支援業務 5年
・直接支援業務 10年
・有資格者による相談・直接支援 3年
・基礎研修は実務経験が2年未満でも受講可
・相談支援業務 3年
・直接支援業務 8年
・有資格者による相談・直接支援 1年
②配置時の取扱いの緩和 ・研修終了後にサービス管理責任者として配置可
・個別支援計画原案はサービス管理責任者等のみ作成可
・サービス管理責任者が1名配置済みの場合は、基礎研修修了者を2人目のサービス管理責任者として配置可
・実務経験が2年未満の基礎研修修了者も個別支援計画原案の作成可
③研修分野統合による緩和 ・サービス管理責任者の各分野(介護、地域生活(身体)、地域生活(知的・精神)、就労)、児童発達支援管理責任者別に研修を実施
・修了した分野のみ従事可
・全分野(児童発達支援管理責任者を含む)のカリキュラムを統一し、共通で実施
・全分野のサービスで従事可
・2018年度までのサービス管理責任者研修の既受講者は、共通カリキュラム修了者とみなす

さらに、サビ管の配置に関しても注意すべき点があります。
現在適用されている「事業の開始後1年間は、実務経験者は研修を修了しているとみなす」旨の猶予措置は、2019年3月31日をもって終了します。
2019年度以降は、実務要件を満たしていたとしても研修を修了していなければ、サビ管の人員配置基準を満たさないことになるため、注意が必要です。

経過措置について

現在サビ管として働いている方は、以下の経過措置を確認しておきましょう。

①現行研修受講済みの方について

2019年4月より新体系への移行します。
施行後5年間(2023年度末)は、更新研修受講前でも引き続きサビ管として業務が可能です。

②基礎研修受講時点で実務要件を満たす方について

基礎研修受講時点(※2019年~2021年の基礎研修受講者に限る)で実務要件を満たしている場合、基礎研修受講後3年間は実践研修を受講していなくても、サビ管とみなされます。

経過措置には期限があります。
経過措置後もサビ管として働くために、経過措置中に必要な研修等を受講してしておきましょう。

参考:厚生労働省『サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の見直しについて』

障害福祉サービスの分野で活躍する、サービス管理責任者

サビ管は、多くの障害福祉サービスで配置義務のある職種です。
サビ管を必要とする職場は多くなってきており、活躍の場は広がっているといえます。
サビ管の配置が必要なサービスは、下記の通りです。

サービス管理責任者の配置義務のあるサービス

療養介護
医療機関に長期間入院している常時医療・介護が必要な障害者に対し、機能訓練や看護・介護などを提供する
生活介護
常に介護を必要とする障害者に対して、障害者支援施設等で入浴や排せつなどの介護や創作的活動の機会などを提供する
自立訓練(機能訓練)
身体障害者や難病患者などに対して、障害者支援施設や障害福祉サービス事業所、利用者宅で、理学療法や作業療法などのリハビリテーション、生活に関する相談・助言などの支援を提供する
自立訓練(生活訓練)
知的障害者や精神障害者に対して、障害者支援施設や障害福祉サービス事業所、利用者宅で、入浴や排せつなど自立生活に必要な訓練、生活に関する相談・助言などの支援を提供する
共同生活援助(グループホーム)
障害者に対して、共同生活を営む住居で入浴・排せつなどの介護や日常生活上の相談・援助を行う
※平成26年4月より、共同生活介護(ケアホーム)は共同生活援助(グループホーム)へ一元化された
就労移行支援
一般企業への就労を目指す障害者や難病患者に対して、主に就労移行支援事業所で、就職活動のサポートや働くための知識や能力を身につけるためのサポートなどを行う
就労継続支援(A型・B型)
一般企業や事業所への就労が困難な障害者に対して、就労や生産活動などの機会を提供し、知識や能力の向上のために必要な訓練を行う。
雇用契約を結んで利用する「A型」と、雇用契約を結ばずに利用する「B型」の2種類がある

※児童の通所支援(児童発達支援や放課後デイサービス等)は、「サービス管理責任者」ではなく「児童発達支援管理者」の配置が必要

サービス管理責任者の給料

サビ管の給料について気になっている方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査結果をもとに、給料をみていきましょう。

出典:厚生労働省『平成29年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要』

厚生労働省の平成29年度調査結果によると、常勤のサビ管の平均給与額は381,991円(※)です。
同資料によると、福祉・介護職員の平均給与額は311,795円(※)なので、サビ管のほうが70,196円高いことがわかります。

※厚生労働省が算出する平均給与額は、基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)のため、ボーナスが含まれる

サービス提供責任者とは「活躍する分野」が異なる

サビ管と似た職種に「サービス提供責任者(以下、サ責)」があります。
サ責も、利用者の訪問介護計画書を作成したり、ヘルパーの教育をしたり、ケアマネなどの関係各所と連携をとったりするため、共通する部分が多いといえます。
仕事内容も名称も似ているため、混乱する人も多いのかもしれません。

そんなサ責との大きな違いは「活躍する分野」です。
サ責は、主に訪問介護サービスの分野で活躍します。
一方、障害福祉サービスの分野で活躍するのがサビ管。

サ責の職場のほとんどが訪問介護事業所であるのに対し、サビ管の職場は障害者施設や病院、就労移行支援事業所などがあり、さまざまな職場で活躍できます。

障害福祉サービスの分野で幅広く責任のある仕事をしたい方は、サビ管を目指してみてはいかがでしょうか。

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