介護の職種

【介護の希少職種】トラベルヘルパーという働き方

要介護者と家族の願いを叶える

「遠方の孫の結婚式に参加したい。でも車椅子だから迷惑をかけてしまう…」「身体が不自由な母と旅行をしたいけれど、旅行中ずっと一人で介護するのは不安」
こんな悩み・不安を解決してくれるのが、トラベルヘルパーです。TV・雑誌等のメディアにも取り上げられている注目のサービスを、介護職の希少職種という観点からまとめてみました。

トラベルヘルパーとは?

トラベルヘルパーは、介護技術と旅の業務知識をそなえた「外出支援」の専門家です。身体に不自由のある人や健康に不安がある人の希望に応じて、身近なおでかけから介護旅行の相談まで、暮らしの外出に関わるすべての支援サービスを行います。
出典:NPO日本トラベルヘルパー協会

主な仕事内容

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一言で表すなら、介護の知識・スキルを持ち合わせた旅行添乗員。要介護者である本人やその家族に、心身の負担なく安全で快適な旅行をプロとして提供します。主な仕事内容は、下記の通りです。

・利用者との打ち合わせ
・利用者の身体の状態、希望に応じた旅行プランの作成
・送迎車の手配
・旅行への同行
・旅行中の移動、食事、入浴、排せつ等の介助
・旅行後の業務報告書作成

仕事のやりがいと厳しさ

やりがい
トラベルヘルパーの存在によって、外出に対して消極的になっていた方々も、憧れの場所・思い出の場所・大切な人がいる場所に行くことが可能になります。「諦めていた夢が叶った!」と感謝され、「また旅に出たい。もっと生きたい。」と、生きる意欲をよみがえらせる姿を目の当たりにできます。自分が企画・同行した旅行へのそうした反応は、得がたい感動・感激となるでしょう。

厳しさ
事業所やプランによっては全国各地あるいは海外にまで同行するため、勤務日や勤務時間に制約がある方は難しいでしょう。また、利用者はお客様なので、確かな介護技術はもちろん、細やかな気配りとコミュニケーション能力が求められます。旅行先で起きうる突発的なトラブルに、臨機応変に対処できる判断力や柔軟性も欠かせません。

トラベルヘルパーになるには

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(1)前述のNPO法人日本トラベルヘルパー協会が、トラベルヘルパーを育成しています。まずは同法人が独自に認定する資格「トラベルヘルパー」を取得します。(資格には3級、準2級、2級があり、仕事として介護旅行に同行できるレベルの2級は、介護系・看護系の資格保有者であることが受験資格)
(2)資格取得後、同法人と提携する介護旅行・バリアフリー旅行を取り扱う旅行会社にスタッフとして登録・仕事をスタートします。

求人の探し方

正社員ではなく、登録制や業務委託の求人がほとんどで、非常勤で働く介護事業所の職員などが、副業としてトラベルヘルパーになる例が一般的。
求人の探し方としては、介護旅行やバリアフリー旅行を取り扱う旅行会社のホームページから問い合わせる、単発派遣・登録制の求人サイトで探す等の方法があります。

【旅行会社の参考】
株式会社エス・ピー・アイ あ・える倶楽部
佐川アドバンス株式会社

収入の目安

時給1,000円前後、日給10,000円前後が目安となります。

まとめ

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加齢や障害で身体が不自由になると、自宅に閉じこもってしまいがち。外の世界から遠く隔たり、新しい人や出来事との出会い、自然との触れ合いが減ってしまうと、生きる意味や目的を見失うことにもなりかねません。そんな方々が諦めかけていた夢を叶えることができるとしたら…。

「もう一度、旅に出たい。」
憧れの場所へ。思い出の土地へ。会いたい人の所へ。要介護者や家族の切なる願いに、プロの技術ときめ細やかな配慮で応えるトラベルヘルパーは、とても魅力的な仕事ですね。本業として生計を立てることは少々難易度が高そうですが、一つのキャリアの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

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