介護現場において、利用者さんと一緒に行うレクリエーションはとても大切なもの。
高齢者が心身ともに元気になれる安全かつ有意義な活動として、質の高い介護レクが求められています。
その一方で、日々のレクリエーションをどう行っていけばいいのか悩んでいる介護職の方も多いのではないでしょうか。
「レクのネタが思いつかない……」
「レクリエーションのバリエーションを増やしたい」
「もっと利用者さんに楽しんでもらうにはどうしたらいいの?」
そんな介護職の方におすすめな資格が「レクリエーション介護士」。
今回の記事ではレクリエーション介護士について、資格の取得方法や得られるスキルについて詳しくご紹介します。
目次
レクリエーション介護士とは?
レクリエーション介護士とは、介護や高齢者に対する基礎知識を学んだ上で自分の趣味や特技を活かし、高齢者に喜ばれる介護レクリエーションを企画・提案・実施できる人材を認定する資格のこと。
現場の介護職員の「レクリエーションの基礎知識を学びたい」という声に応え、一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会が2014年9月より認定を開始しました。
2018年にはレクリエーション介護士2級の取得者が2万人を超え、資格の取得者も介護職員だけでなくその他の職種や介護家族などに、大きな広がりをみせる注目の民間資格です。
レクを学ぶ機会がなかったスタッフのために
QOL(quality of life=生活の質)が重要視される昨今、介護レクはただの遊びや気晴らしなどではなく、介護現場において欠かせない活動となっています。
しかし、それほど重要なものでありながら、介護職がレクリエーションについて学ぶ機会はこれまで用意されていませんでした。
そんな中で現場の介護職員から要望を受け、高齢者へ生きがいや喜びを与えられるスタッフの育成を目的とした資格が誕生したのです。
レクリエーション介護士の中には「レクリエーション介護士2級」と「レクリエーション介護士1級」の2階級が用意されており、意欲的な方であればより深い介護レクへの学びを得ることができます。
2級は要件不問!誰でも取得が可能
レクリエーション介護士を目指す方を対象とした階級で、取得に際して経験・年齢・資格といった要件は不問となっています。
そのため、介護職はもちろん、介護関係の仕事に就いていない方でも取得することが可能です。
1級はステップアップしたいレクのリーダーにも◎
2016年から開講した認定講座で、レクリエーション介護士2級の上位資格となります。
介護現場でレクリエーションを担当した経験があるか、フォローアップ研修を30時間受けている人が対象です。
介護現場におけるレクリエーション実施のリーダー的なポジションとなります。
介護レクのエキスパートになれる!資格取得の魅力
介護レクは今、介護現場において欠かせない重要な役割を担っています。
介護職として現場で働き続ける限り、レクリエーションを担当する機会は必ず巡ってくるでしょう。
そのとき、レクリエーション介護士の資格を取得していれば、レクリエーションの企画立案から実行までをスムーズに行えるようになります。
資格取得によってどのようなスキルを獲得できるのか、具体的に見てみましょう。
- 介護の基本的な知識
- 高齢者に対するコミュニケーション能力
- レクリエーションの企画力・計画力
- レクリエーションの実行力と見直し
- 参加する高齢者の状態別に合わせてレクリエーションをアレンジできる
- 介護施設や事業所の理念・方針に合わせて、介護レクリエーションをプログラムできる
- 介護レクリエーションの意義とその効果を経験をもとに理解し、リーダーとして活躍することができる
資格取得までの流れ
「レクリエーション介護士2級」と「レクリエーション介護士1級」では、それぞれ取得方法が異なります。
どのような流れになるのかを確認してみましょう。
2級は通信講座もあり
レクリエーション介護士2級を取得するためには、日本アクティブコミュニティ協会が認定する講座を受講し、その上で試験に合格する必要があります。
講座の形式は通信・通学の2種類が用意されているため、自分のライフスタイルや勤務状況にあわせて選択するといいですね。
- 通信講座
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自宅にテキストやDVD教材が届く形式の講座です。
自身の好きなタイミング・ペースで勉強できるため、働きながら資格取得を考えている人には特におすすめ。
試験も在宅で受験することができます。
- 通学講座
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専門のスクールに通う形式の講座です。短期間で資格を取得したい方に向いています。
試験の際には通っているスクールでの会場受験となります。
講座を実施しているスクールが通える範囲にあるか、事前に確認しておくようにしましょう。
1級では研修+実技試験が必須
レクリエーション介護士1級を取得するためには、レクリエーション介護士2級の取得が必須条件です。
その上で
- 日本アクティブコミュニティ協会が主催するアイスブレイク体験会へ参加
- 4日間の必須講座を受講
- フォローアップ研修と現場実習の実施
をすべて完了させ、認定試験に合格する必要があります。
認定試験は実技科目と筆記科目があり、ふたつあわせた150点満点中、正答率が6割以上で合格となります。
- 実技試験
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□配点:30点
□内容:集団レクリエーションの実践
※30点満点のうち、6割以上の評価を取る必要があります。
- 筆記試験
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□配点:120点(小論文1問)
□内容:選択問題60問、記述式問題4~6問で100点。小論文1問で20点です。
レクリエーション介護士公認講師と資格取得者が多数在籍するデイサービスにインタビュー!
この記事を読んで「もっとレクリエーション介護士のことを詳しく知りたい」「資格が役立っている介護現場を知りたい」と思ったそこのアナタ!
『介護のお仕事研究所』では、レクリエーション介護士の公認講師である藤井寿和さんにインタビューしました。資格の魅力やメリット、資格取得者の印象的なエピソードなど、公認講師だからこそわかるリアルな情報を教えてもらいました。
さらに、レクリエーション介護士の資格をもった職員が多数在籍するデイサービス「モーニングデイあさがお」さんにも伺いました。
前編では、実際にレクが行われるようすなども多数掲載。後編では、レクリエーション介護士を取得した職員にたっぷりと話を聞きました!
参考文献・サイト
- 一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会「レクリエーション介護士」とは(2019/06/14)
- 湘南国際アカデミー「レクリエーション介護士2級」(2019/06/14)
- 生涯学習のユーキャン「レクリエーション介護士2級・1級の資格取得の流れ、試験問題の傾向」(2019/06/14)
- 介護の資格最短net「レクリエーション介護士とは」(2018/11/15)