インタビュー

「今を大切にし、新しい発想でサービスを提供する」レクリエーション介護士の魅力を公認講師が語る【前編】

「明日のレク、なにしよう…」
介護士の悩みの種のひとつ、レクリエーション。
良いレクをすぐに思いついたらいいのに…と思っていませんか?

そんなあなたにおすすめなのが「レクリエーション介護士」。
民間資格にもかかわらず、設立からわずか3年半で取得者が2万人を超え、いま注目されている資格です。

「レクリエーション介護士ってどんなこと学ぶの?取得するメリットは?」
と気になっている方のために、公認講師である藤井寿和さんにレクリエーション介護士のリアルな話をお伺いしました。
(聞き手 介護のお仕事研究所編集部)

「自分もまわりも、みんな変わる オーダーメイドのレク」レクリエーション介護士の魅力を公認講師が語る【後編】前編に引き続き、レクリエーション介護士について、公認講師の藤井寿和さんにお伺いしました。後編では、レクリエーション介護士にまつわる人々の...


藤井寿和(Hisakazu Fujii)
合同会社福祉クリエーションジャパン 代表。
1978年9月生まれ。静岡県西伊豆出身。
高校卒業と同時に陸上自衛隊衛生科隊員として6年勤務。その後、在宅医療に特化した医療法人のデイケア、デイサービス、有料老人ホームで統括マネージャーまでを経験し、2015年に起業。
現在は介護現場運営コンサルタント、介護商品開発に携わり、年間100日、全国で研修、講座、講演、セミナーを行っている。2017年テレ朝のスーパーJチャンネルにて特集取材、放映される。2018年4月、高齢者の知識、経験、伝統を後世に残す”生きる図書館”プロジェクトを開始。

レクリエーション介護士2級取得者が2万人突破!人気の理由とは

___レクリエーション介護士2級取得者、2万人突破おめでとうございます!人気の理由を教えてください。

藤井寿和(以下、藤井) ありがとうございます!うれしいですね。
レクリエーション介護士は、介護施設にヒアリングをした結果生まれた資格です。
資格を創設する際に、関東100施設、関西100施設の合計200の介護施設にヒアリングを行いました。その結果、現場の悩みで一番多かったのが「レクリエーション」だったのです。

思えば私たち介護士は、移乗やオムツ交換といった介助の方法を現場や研修で習いますが、レクの方法は習っていない人が多いですよね。
それなのに、入職してすぐにレクリエーションの担当にさせられて悩んでしまう人も多いと思います。
そんなレクリエーションに対して悩みを抱えている介護士が多いという現状をふまえて、2014年9月に「レクリエーション介護士」が創設されました。
介護現場の声から生まれたので、2万人という数字は後からついてきたと思っています。

___どのようなときに「レクリエーション介護士」の人気を感じますか?

藤井 受講生が自分の知り合いにレクリエーション介護士の資格のことを紹介して、新たな受講生を連れてきてくれるときでしょうか。

___口コミで広がっているのですね!どうして受講生の評価が高いのでしょうか?

藤井 この資格には2日間の通学講座があります。
講座ではコミュニケーションを重視しているため、受講生同士が仲良くなるんですよ。
受講生同士が仲良くなることで充実度や満足度が上がり、口コミが広がっているのかもしれません。
この点は、いままでの介護業界の資格とはちがうところじゃないかなと思います。

言葉で伝えることで、周囲に伝染する

___レクリエーション介護士を取得することのメリットはありますか?

藤井 レクリエーション介護士を学ぶうえで重要なことは「コミュニケーション」、つまり、「言葉で人に伝えること」です。
なんとなく「良い」とわかっていても、うまく言葉にできなくて、誰かに伝えることができない……なんてことはよくありますよね。
私もそうでしたが、とくに介護現場ではそのような感覚的な人が多いように感じます。
感覚だけで仕事をすると、他者と共有するのが難しくなります。「○○さんのトイレ介助でなんとなく良さそうな方法をみつけたよ!」って言っても、うまく伝わらないでしょう。
その「なんとなく良い」と感じた理由や介助の方法をきちんと言葉で伝えられるようになると、チームのメンバーに共有でき、良いことが伝染するようになります。「良い」と感じたことが自分だけに留まらず、施設や事業所全体に広がっていく……介護の現場ではとても重要なことですよね。

___大切なことですね。どういうときに受講生が「言葉にできている」と感じますか?

藤井 2日間ある通学講座では、1日目と2日目の間が1~2週間あいています。
この間に、みなさん自主的に、1日目に習ったことを実践してくれます。

1日目は体験型レクリエーションといって、行動で示すことを学び、2日目はなぜその行動が必要なのかを学びます。
具体的にいうと、1日目は、レクリエーションを「体感」してもらうのです。
当たり前ですが、私たちは介助される側の立場を学ぶ場が少なく、高齢者の本当の気持ちを理解できていないのかもしれません。そのため、まずレクリエーションをする高齢者の立場になってもらいます。そして、「良い」も「悪い」も自分自身がどう感じるかを知ってもらうのです。
それが、2日目までの1週間の行動に現れ、どう感じたのかを言葉にしてくれます。
感じたことをみんなで共有するときに「言葉にできている」と感じます。

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資格手当などの直接的なメリットも!期待が高まるレクリエーション介護士

___お給料アップなどのメリットもあるのでしょうか? 

藤井 まだまだ少ないですが、資格手当を出す施設・法人も出てきています。
ある法人では、教育カリキュラムにレクリエーション介護士が含まれており、会社に入社するとレクリエーション介護士の資格が取得でき、資格手当が支給されるところもあります。

資格手当がついたり、教育に取り入れられたりするということは「レクリエーション介護士」のメリットが介護の世界でも認められ、信頼につながっている証だと思います。
今後も取得者が感じられるメリットが増えるように、尽力していきます。

スカイプを使って、喜びを分かち合う!今を大切にするということ

___レクリエーションを行う際に、大切にしていることはありますか?

藤井 「いつの時代を生きているか」を大切にしています。
「いつの時代」とは明治や大正といった昔ではなく、「今」です。
私たちも高齢者も今の時代生きています。

___「今」を大切にするというと?

藤井 たとえば、高齢者にレクリエーションでなにか作ってもらうことがありますよね。
そのあと、どうしますか?
自宅に持って帰ったり、施設に飾ったりという選択肢があると思いますが、レクリエーション介護士には、もう一歩考えてほしいです。

ある施設では、同じ法人が運営している保育園があったので、「園児に高齢者が作ったものをプレゼントしよう!」となりました。
ところが、高齢者から直接子どもたちに渡せない環境でしたので、職員から渡してもらうことにしました。
しかし、ただ単に職員から渡してもらうだけではありません。渡す瞬間をスカイプで中継して、リアルタイムで子どもたちの反応を見れるようにしたのです。

スカイプという現代のツールを使うことで、直接渡せなくても画面を通じて園児と高齢者が繋がることができました。昔だったら、できなかったことも「今」だからできることはたくさんあります。直接渡せないから、笑顔が見れなくてもしょうがない、とあきらめる必要はないのです。

これが「今」を大切にするということです。
このように、「今」ならではの方法や手段等を考えるのも介護士の仕事だと思います。

___すばらしい発想ですね!高齢者の方も、とても喜ばれたのではないでしょうか?

藤井 はい。子どもたちの笑顔や反応をリアルタイムで見れることによって「作ってよかった」と喜びが増し、「今度はなにあげようか」と未来につながります。
生きることに意欲的でなかったり、未来を悲観する高齢者は多いのですが、このように高齢者自身が「次はどうしようか」と積極的になることはとても良いことだと思います。

一歩踏み出すことで、環境が変わる

___現役介護士のみなさんに伝えたいことを教えてください。

藤井 できることからでいいので、自分から一歩踏み出してほしいです。
現場の介護士は、決裁権のない一職員が多いと思います。しかし、メディアは法人単位などの大きな規模のニュースに偏りがちで、「大きなことをしないと環境は変わらない」「自分たちにはできない」と感じることもあるのではないかと思います。
実際は、そんなことはありません。
自分にできることをすることによって、環境が変わります。

私個人の話になりますが、ある時期、さまざまな交流会に参加していました。その結果、仕事が増え、大変なときに助けてくれる大切な人と出会うことができたのです。交流会という一歩を踏み出すことによって、大きな財産を得ることができました。

介護業界の環境は厳しいです。けれど、じっとしていても変わりません。
自分にできることから一歩踏み出して、一緒に介護業界を盛り上げていきましょう!

編集後記

今回、レクリエーション介護士公認講師である藤井寿和さんにお話を伺うことができました。前編では、主にレクリエーション介護士の人気の理由や魅力についてお届けしましたが、後編では実際にレクリエーション介護士の資格を取得した受講生やレクリエーションを体験した高齢者の具体的なエピソードを紹介します。
ぜひご期待ください!

※この取材記事の内容は、2018年4月に行った取材に基づき作成しています。

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