認知症についてもっと知りたい。でも、忙しくて専門書をじっくりと読んでいるヒマも気力もない! そんなときにおすすめなのが、気軽に読める介護漫画です。今回は、「認知症」をテーマにした、おすすめの介護漫画を厳選してご紹介します!
認知症をテーマにしたおすすめ漫画
介護がラクになる マンガ認知症ケア
徘徊やおもらし、入浴拒否、物盗られ妄想といった、認知症介護でだれもが行き当たる壁について、ホームで働く介護職員たちが悩みながらも乗り越えていく一話完結型漫画。テンポよく進む、認知症介護の入門書として読みやすい一冊です。認知症の人の問題行動を目の当たりにした時、どんな想像力を働かせて向き合っていけばいいのか、ヒントがたくさん盛り込まれていて、勉強になります。また、介護者の気持ちを表したセリフやモノローグにもぐっときます。
歳を取るということは、個性が煮詰まっていくことです。なかには煮詰まりすぎて焦げ付いたりもする。それが味があるんです
認知症のある人って、なぜ、よく怒られるんだろう?
ケアマネや介護福祉士として働いていた著者の実体験をもとに、施設での認知症介護の日常を切り取った本作品。90歳で若い男性職員に恋をしてしまうおばあちゃんや、人形を孫と思い込いこんで生活をするおばあちゃんなど、個性豊かな認知症の人たちがチャーミングに描かれています。介護現場の現実や、家族や職員の悩み・葛藤といったシビアな面も描かれていますが、やさしいタッチのイラストで、すんなり読めます。お茶碗の選び方ひとつで食の進みがよくなる、入浴拒否をする女性に気持よくお風呂に入ってもらう方法など、作品の随所に散りばめられた実用的な介護テクニックも必見です!
著者北川なつさんへのインタビュー記事はこちら!
ペコロスの母に会いに行く
言わずと知れた認知症漫画界のベストセラー。発行部数は12万部を突破し、映画化もされています。
認知症で介護施設で暮らす89歳の母に、62歳の息子(著者)が会いに行く日常を、4コマ漫画風に描いていて、少しずついろんなことを忘れていく母親を受け入れて、いとおしく見つめる著者の視点が、多くの人から絶大な共感を集めています。長崎地方の方言と、ほのぼのしたイラストで、思わず涙腺がゆるみます。
さっき、父ちゃんが訪ねて来なったばい
なあユウイチ うちがボケたけん父ちゃんが現れたとなら
ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん
ヘルプマン 11巻、12巻
介護業界のリアルを手っ取り早く知るならこれ!介護漫画の草分け的存在の『ヘルプマン』です。
11~12巻は認知症編。これまで人生を謳歌してきた主人公の男性が認知症になっていく過程が描かれています。11巻の表紙、かなり怖いですよね。・・・が、中身はもっと怖いです。自分が認知症になった時に感じる混乱や悲しみ、絶望を、主人公に思わず重ねてしまいます。12巻では、認知症の父親と向き合う家族の葛藤を描いています。
まわりが認知症を受け入れることで、解決する問題はたくさんあることを改めてを気づかせてくれる本作品。重いだけじゃありません。
親を、どうする?
3人の40代女性が主人公で、おひとりさま、共働き、シングルマザーとそれぞれの立場から親の老いとの向き合い方を綴るコミックエッセイ。誰もが思う、でも人には言いづらい「将来、自分の親どうしよう?」という家族の不安に寄り添う内容です。イラストがとても可愛いらしいタッチですが、内容は40代女性のリアルが詰まっていて、なかなかシビア。特に30~40代の女性なら、「わかるわかる!」と共感してしまうシーンも多いのではないでしょうか。
かあちゃんといっしょ
ある日突然階段から落ちて、認知症かつ要介護状態になった「かあちゃん」と、いっしょに生活する息子の“絆”の物語です。気の強い母親と、その母親を介護する息子の人間味あふれるやりとりが魅力的。親を介護する家族の気持ちの揺れが、シビアさとユーモアを交えて描かれています。読み終わった後、ちょっと気持ちが前向きになる漫画です。
WEBからも読める!イブニングWEBコミック「かあちゃんといっしょ」
さいごに…
認知症漫画7選、いかがだったでしょうか。読んでみたい!と思える漫画はありましたか?毎日忙しくて、じっくりと本を読む時間がない時、専門書を読む前に認知症介護の全体感を捉えたい時、漫画はとっても便利です。ぜひ、気になる漫画があったら、チェックしてみてくださいね。