皆さんは、呼吸を観察したことがありますか?
介護者の方を見ていると、明らかに呼吸が浅くなっている方がいると気がつくはずです。ご自分の呼吸はどうでしょうか?
目次
呼吸の量が浅くなるのはどんなとき?
20代〜50代の働き盛りの我々は、無意識的に呼吸の量が浅くすることによって、交感神経を刺激し、仕事に集中できるようにしています。それはどの仕事をしている方でも同じで、意識を向けなければ、深い呼吸をしている時と比べると約半分になると言われています。
仕事に集中できるのは良いことですが、交感神経を刺激し続けたままだとどうなるでしょうか。夜に眠れなくなるのはもちろんのこと、頭が痛くなったり、ひどい場合だと神経過敏になったりします。
いわゆるストレスホルモン(コルチゾール)をずっと出しているということになります。このストレスホルモンは、皮下脂肪を貯める作用があるとアメリカでは発表され、日本でも話題になりました。またストレスを貯めることは、あらゆる場面において影響します。
では、どうしたらストレスを軽減させることができるでしょうか。
これはリラックスすること=副交感神経を優位にする事
がキーとなります。
リラックスできる呼吸法
副交感神経は夜眠る時や、ぼーっとしている時に、特に発揮されると言われ、中でも、呼吸法や瞑想によってより副交感神経が働くと発表されています。
今回はその呼吸法をご紹介いたします。仕事の合間にも、介護者の方ともできる方法なので、お試しください。
ちなみに、介護士の方々の多くは背中を使うことが多いので、今回は背中を壁につける、もしくは椅子に深く腰にかけて行う呼吸法にいたします。
1. 背中を壁、もしくは椅子の背もたれにしっかりとつける
自然な呼吸で背中を膨らませ、背中で壁もしくは背もたれを押している感覚を掴みましょう。この意識ができてきたら、顎、後頭部を後ろに軽く引き、背中と一直線になるように心がけます。
2. 両手を胸の前で合わせ、手のひら同士で押し合い、内側に温もりをつくる
3. 温もりをつくった両手のひらを重ねた状態で、心臓の上(胸の上ではなく鎖骨と胸の間のあたり)、胸を持ち上げるように息を深く吸う
この時に背中も一緒に膨らませ、壁、もしくは背もたれを押してください。胸と背中で呼吸をすることを作ります。呼吸の長さはできるだけ長く(5カウントで吸って5カウントで吐くのが一番ベスト)。ですが、最初は難しいと思うので、できるだけ長く吐く方に意識を向けましょう。
4. 息を吐き出す時は、重ねた両手が少しだけ下に下がっていくような意識を持ちながら、吐き出す
その時、背中も一緒に小さくなっていくイメージで行う(胸式呼吸)。
5. この呼吸を10回繰り返す
できれば体の中に暖かさが保持し続けられる、鼻で吸って吐く方がいいのですが、難しい場合は鼻から吸って、口からゆっくりと吐くに変えていただいても構いません。
6. 今度はおへその上に先ほどの両手を重ねておき、同じ感覚でお腹を膨らませ、しぼめる(腹式呼吸)
7. 最後に、片手づつ胸とお腹に手をあてて、以下の呼吸を繰り返す(完全呼吸)
吸う:お腹→胸を膨らませる
吐く:お腹→胸から吐き出す
呼吸法のポイント
時間がない時は、胸とお腹だけのステップのみを繰り返すか、胸だけで深い呼吸をするだけでも違います。それぞれ目安は10回。できるだけ、あてた手の平が自分の体を包み込むような感覚を持ちながら行うとより、心が満足し幸せなエネルギーを保つことができます。
介護者のかたと一緒に行う場合は、最初に合掌を作った際に、ご自分の手で包み込み、エネルギーや暖かさを分けることによって、その方の呼吸の深さが変わっていきます。
介護者の方が寝たきりの場合は、背中と頭を安定させて、両膝を立てた状態で行っていただくと呼吸が深くなります。
行うタイミングは、ご自分が疲れている時に行うのでも構いませんが、より効果を発揮するのは、朝と寝る前。ただ朝は時間がないかもしれないので、夜寝る前だけでもやっていただいてもいいと思います。
ぜひこの呼吸法を実践されて、職場の人たちに幸せオーラを振りまいてくださいネ。