介護の資格

【最新完全マニュアル】児童発達支援管理責任者になるためには~資格要件から職務内容まで~

児童発達管理責任者とは

児童発達支援管理責任者(児発管)」とは、放課後等デイサービスをはじめとした障害児支援の施設において現場をリードする役割を担う資格です。

この資格を取るためには実務経験の要件を満たしたうえで研修を修了することが必要ですが、高齢者分野の介護職として働いた経験も実務年数に算定できます。また、介護福祉系の国家資格である介護福祉士・社会福祉士の業務が、「有資格者」の実務経験の要件として設定されていることも。

この「児童発達支援管理責任者」の資格ですが、2019年4月から資格要件や研修形式などが変更となりました。その変更点をふまえて、資格を取るための要件や研修、仕事の内容、働く職場ついて紹介します。

児童発達支援管理責任者とは

児童発達支援管理責任者とは、児童福祉法で定められた障害児支援の施設において、児童や家族へのアセスメントに基づく個別支援計画を作成し、現場をリードする役割を担う職種・資格です。

この資格を取得するためには、実務経験の要件を満たしたうえで研修を修了することが必要です。

非常に複雑な「実務経験の要件」を徹底解説!

まず確認したいのは、児童発達支援管理責任者になるための実務経験の要件ですが、これが非常に複雑

要件で見るべきポイントは従事してきた「施設」「業務内容(相談/直接支援)」「国家資格の有無」の3つ。
簡単にまとめると、以下のいずれかに該当していることが要件となります。

①5年以上の相談支援業務の経験があること※
②8年以上の直接支援業務の経験があること※
③いずれかの国家資格を持ち、実務経験を満たしていること

※①と②については、高齢者分野の実務経験も実務経験年数に含めることはできるが、児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要

実務経験に含まれる業務の範囲は都道府県ごとに独自に設定していることもあるので、自分が申し込みをする都道府県の要件を必ず確認しましょう。共通する部分については以下の通りです。

①5年以上の相談支援業務の経験がある場合

下記に記した施設において、相談支援業務に通算5年従事していることが必要です。

ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることを指します。例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、実際に従事した日数が900日以上ということを指します。

<ア:相談支援事業に従事する者>
・地域生活支援事業
・障害児相談支援事業
・身体障害者相談支援事業
・知的障害者相談支援事業
<イ:相談機関等において相談支援業務に従事する者>
・児童相談所
・児童家庭支援センター
・身体障害者更生相談所
・精神障害者社会復帰施設
・知的障害者更生相談所
・福祉事務所  
・発達障害者支援センター
<ウ:施設等において相談支援業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※地域包括支援センター
※救護施設
※更生施設

・障害児入所施設
・乳児院
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
・精神保健福祉センター
<エ:就労支援に関する相談支援の業務に従事する者>
・障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
<カ:医療機関において相談支援業務に従事するもので、次のいずれかに該当する者>
・病院
・診療所
ただし、社会福祉主事、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員であって、上記ア~オの実務経験 年数が1年以上のもの

※老人福祉施設、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターなどの高齢者分野での相談支援業務に従事してきた場合、この期間も実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。

②8年以上の直接支援業務の経験がある場合

下記に記した施設において、直接支援業務に通算8年従事していることが必要です。

ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることをいう。例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、なおかつ実際に従事した日数が1440日以上ということを指します。

<ア:施設等において介護業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※病院又は診療所の療養病床関係病室

・障害児入所施設
・助産施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・保育所
・幼保連携型認定こども園
・児童厚生施設
・児童家庭支援センター
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
<イ:事業所等において介護業務に従事するもの>
※老人居宅介護等事業
・障害児通所支援事業
・児童自立生活援助事業
・放課後児童健全育成事業
・子育て短期支援事業
・乳児家庭全戸訪問事業
・養育支援訪問事業
・地域子育て支援拠点事業
・一時預かり事業
・小規模住居型児童養育事業
・家庭的保育事業
・小規模保育事業
・居宅訪問型保育事業
・事業所内保育事業
・病児保育事業
・子育て援助活動支援事業
・障害福祉サービス事業
<ウ:医療機関等において介護業務に従事する者>
・保険医療機関
・保険薬局
・訪問看護事業所
<エ:障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事するもの>
※特例子会社
※助成金受給事業所
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校

※老人福祉施設や介護老人保健施設、療養病床関係病室、老人居宅介護等事業などの高齢者分野での直接支援業務に従事してきた場合、または特例子会社、助成金受給事業所で障害者の就労支援に従事してきた場合には実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。

③国家資格と実務経験がある場合

社会福祉士や介護福祉士などの国家資格などを所有している場合は、「+実務経験」で資格の要件を満たす場合があります。

●社会福祉主事任用資格などで5年

以下のいずれかに該当する場合には、直接支援業務の経験が通算5年必要です。

1)社会福祉主事任用資格
2)相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を 習得したものと認められるもの
3)保育士又は国家戦略特別区域限定保育士
4)児童指導員任用資格者
5)精神障害者社会復帰指導員任用資格者

●国家資格を持って5年

以下の国家資格等を取得して5年以上従事している場合には、相談支援業務または直接支援業務の経験が通算3年以上必要です。

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、保健師、助産師、看護師、准看護師、管理栄養士、栄養士、医師、歯科医師、薬剤師

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2019年から変更となった「研修」について

2019年4月から、児童発達支援管理責任者の研修体形が変更 となりました。
児童発達管理責任者の研修について
これまでは「相談支援従業者初任者研修」「サービス管理責任者等研修」という2つの研修を受講する事になっていましたが、2019年4月以降は「基礎研修」「OJT(2年以上)」「サービス管理責任者等実践研修」という3段階で研修を受講する必要があります。

2つの研修が統一された「基礎研修」

基礎研修とは、従来から行われていた「相談支援従業者初任者研修」「サービス管理責任者等研修」の2つの研修を指します。研修の内容については以下の通りです。

<基礎研修の内容>

▼相談支援従事者初任者研修の内容(計11時間)
・障害者の地域支援と相談支援従事者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)の役割に関する講義
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の概要並びにサービス提供のプロセスに関する講義
・相談支援におけるケアマネジメント手法に関する講義

▼サービス管理責任者等研修の内容(計15時間)
・サービス管理責任者、児童発達管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義
・サービス提供プロセスの管理に関する演習

OJT(2年以上)とは?

OJT(オージェ―ティー)とは「On the Job Training」のことです。職場で実務をすることで職業教育をする現任研修のことを指します。ここでのOJTとは、基礎研修を修了した日の以後に、相談支援業務または直接支援業務に通算して2年以上従事することを指します。

サービス管理責任者等実践研修

基礎研修を終了し、OJTの期間を終了すればサービス管理責任者等実践研修を受講することができます。研修の内容は以下の通りです。

・ 障害福祉の動向に関する講義(1時間)
・サービス提供に関する講義及び演習(6.5時間)
・人材育成の手法に関する講義及び演習(2.5時間)
・多職種及び地域連携に関する講義及び演習(3.5時間)

研修の申し込み方法

申し込みの方法は都道府県ごとに異なりますが、自分が勤めている施設や事業所が所在する都道府県で研修を受けることになっています。
研修は「都道府県が行っている」場合と「都道府県から指定を受けた事業者が行っている」場合があります。

いずれの場合にも、都道府県のホームページから研修の日程や場所、申し込みの方法を確認しましょう。研修を実施する頻度は年に1~2回と多くはないので、よく確認することが必要です。

また、研修の申し込みを行う時点で実務経験の要件を満たしていない場合にも、指定年数を満たすことを見越して研修を受けられる場合があります。研修を行う事業者に確認をしましょう。

5年ごとの更新研修と任意研修も新設

新たな研修制度とともに、資格を取得したあとの更新研修も必要になりました。
更新頻度は「5年」ごとで研修時間は「6時間程度」とされています。
※旧制度で資格を取得した人も、2023年度末までにこの更新研修を受ける必要があります

また、障害児支援や相談支援など各分野の知識や業務を専門的に学ぶ「専門コース別研修」も新設されていますが、こちらの研修は任意研修となっています。
いずれも2019年からの見直しで追加・変更になった部分なので、よく確認しておきましょう。

児童発達支援管理責任者の仕事

さて、ここからは児童発達支援管理責任者がどんな仕事をするのか、その業務内容を見ていきましょう。

児童発達支援管理責任者の主な仕事内容は「個別支援計画書」を作成して、支援や療育を組織的に行うための管理をすることです。そのため、主な職場となるのは障害のある児童に対して自立支援や療育などを行っている「障がい児通所支援施設」や「障がい児入所支援施設」になります(職場については後ほどくわしく解説します)。

児童への適切な支援や療育を示す「個別支援計画」とは

個別支援計画の作成とは、児童への支援を計画的に行うために児童発達支援管理責任者が行う重要な業務です。この計画書に基づいて日々の支援や療育が行われます。

個別支援計画を作成するためには、児童との関わりや保護者との面談を通して、児童の心理・発達面の状態や課題を把握し、家族のニーズをくみ取ることが必要です。そして短期・長期の目標を設定し、目標に向けた支援内容や援助の方針などを作っていきます。
また、児童が通う学校と可能な限り連携をして、学校での教育支援計画と連携を行うことも必要です。

個別支援計画に基づく支援の効果は定期的(通常は3ヵ月)ごとにモニタリングをします。そして、モニタリングの結果に応じて個別支援計画の見直しを行います。これらの一連の作業が児童発達支援管理責任者の主な仕事となります。

児童発達支援管理責任者の1日の仕事の流れ

児童発達支援管理責任者の仕事のイメージを持つために、放課後等デイサービスでの1日の仕事の流れをご紹介します。

放課後等デイサービスとは、6歳~18歳までの障害のある児童が放課後を過ごす場所です。児童発達支援管理責任者は施設の運営・管理業務や個別支援計画の作成、保護者との面談、送迎、療育活動、請求業務などを行います。

放課後等デイサービスで働く1日の流れ
9:45 出勤
10:00 朝礼
10:10 事務作業、療育の準備
10:30 保護者との面談、個別支援計画の作成
11:30 関係機関との連絡、請求業務
12:00 昼休み
13:00 送迎のフォロー、事務作業
14:00 療育のフォロー、事務作業
18:00 送迎のフォロー、保護者への連絡
18:50 スタッフミーティング、掃除など
19:00 退勤

児童発達支援管理責任者の職場とは

児童発達支援管理責任者は、児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどの児童福祉法で定められた施設において1名以上の配置が義務づけられています。
配置が義務づけられているということは、児童発達管理責任者として勤務する施設そのものとなるので、チェックしてみてください。

また、配置が義務付けられている施設は、大きく分けると「通所系施設」と「入所系施設」があり、それぞれにサービスの内容や対象となる児童が異なります。

障害児通所支援

児童発達支援管理者の設置が義務付けられている障害児通所支援施設は以下の通りです。

・児童発達支援(児童発達支援センター・児童発達支援事業類型)
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・保育所等訪問支援

障害児入所支援

児童発達支援管理者の設置が義務付けられている障害児入所支援施設は以下の通りです。

・知的障がい児施設
・第一種自閉症児施設
・第二種自閉症児施設
・盲児施設
・ろうあ児施設
・肢体不自由児施設
・肢体不自由児療護施設
・重症心身障がい児施設

編集者より

障害児支援の施設で現場をリードする「児童発達支援管理責任者」の資格について、紹介しました。

この資格を取るためには実務経験が必要ですが、介護職の実務経験や資格を活かすこともできます。
児童発達支援管理責任者の資格を取ることで仕事の幅が広がるので、転職活動をはじめるとき、ぜひ参考にしてください!

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参考文献・サイト

  • 厚生労働省「相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて」
    https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000195407.pdf
  • 宮城県「宮城県サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修」
    https://www.pref.miyagi.jp/site/syoufuku-top/170330.html
  • 千葉県「サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の実務要件等の改正について」
    https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/koreishogai/shogaifukushi/documents/pm22_310318.
    pdf
  • 行政書士ヨシカワ事務所「【2019年4月から】サビ管・児発管研修はどう変わるのか?」
    http://syoshikawa.com/sabikanjihatsukan/#i
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