介護コラム

「日常生活」のケアに、介護スタッフの「特技」が生きる?

近年、「2025年問題」で注目が集まっている介護業界。
介護施設も建築会社や保険会社など、様々な業界が参入を始めています。

  • 「介護×IT」で生まれた「VR」を使った「認知症体験」
  • 「介護×音楽」で生まれた「音楽療法」
  • 「介護×保育」で生まれた「タクティールケア」

様々な業界とのコラボレーションによって、今までの介護にはない画期的な技術が生まれています。
これからの介護は、「多職種連携」だけでなく、「他業界連携」が必要になってくると感じています。

さまざまな業界がかかわる「介護」

日常生活をしていく中で、私たちは、多くの業界とかかわっています。
例えば、食事ひとつとっても、

  • ごはん・おかずは食品業界
  • ご飯を食べるための食器・箸は日用品メーカー
  • 食事を置くためのテーブルとイスは家具メーカー
  • レシピを調べるための本やネットは出版・IT業界

などなど、さまざまな業界がかかわっているのです。
このようにさまざまな業界がかかわっている「介護」だからこそ、私たち、介護スタッフの特技も生きてきます。

思わぬことが介護に繋がる

趣味で、アロマを部屋で焚いていたことがありました。
一見、介護とはほとんど関係がない趣味だと思います。

しかし、認知症のグループホームに勤務していたころ、「タクティールケア」という手法に出会いました。
「タクティールケア」は「触れる」ことを通して、利用者さんに「安心感」を持っていただく介護の手法です。
その中で、オイルを使ったマッサージを行うことがあります。

そこで、僕のアロマオイルの知識とオイルマッサージをコラボさせて、リラックスに効果のあるアロマオイルを使ったマッサージを行う「癒しの介護」という独自の介護手法を生み出すことができました。

このように「日常生活」にねざす介護、さまざまな業界にかかわる介護だからこそ、私たち、介護スタッフのちょっとした「特技」や「趣味」も活かすことができるのです。
なぜならその特技や趣味もまた、スタッフの「日常生活」の中で身につけたものだから。
また、自分の好きなことが生かせることによって、介護スタッフ自身も楽しむことができます。

こんな介護の仕事の楽しみ方もあるのかなって、僕は思います。

ABOUT ME
山本健治
新卒で現在の社会福祉法人に入職、今年で9年目。特別養護老人ホーム、認知症対応型グループホーム、介護付有料老人ホーム、デイサービスで勤務していた。現在は川崎市の特別養護老人ホームで働く生活相談員。医療福祉コミュニケーションカレッジ認定のコーチ・あだ名「ピュアコーチ」、きらめき介護塾の「認知症シスター」の肩書を持つほか、オリジナルプロジェクト「オンリーワン介護士」としてアロママッサージを使ったケアも行っている。株式会社join for kaigo主催のHEISEI KAIGO LEADERSにも所属。「癒しの介護士・プーさん」の愛称で親しまれる。