最近、こういうことを耳にしました。
一般的に介護、看護師、教師などにこの症状が多く見られることで注目を浴び、最近はヒューマンサービスのみならず、スポーツ選手などにもこの症状が見られるようになっています。
現在では「心の病気」の1つとして挙げられています。
この投稿では、燃え尽き症候群のパターンや原因、そして病気にかかりやすい人などを分析していき、最後に、その対処方法や燃え尽き症候群にならない思考の取り組みやトレーニング方法を開示していきたいと思います。
目次
燃え尽き症候群の背景とは?
燃え尽き症候群はバーンアウトともいい、やる気を高く保っていた人が突然のようにモチベーションややる気を失ってしまう心の病気です。
燃え尽きてしまうと、何もやる気が起きず虚無感を感じたり、自信がなくなったりします。
社会的背景
燃え尽き症候群という言葉は1970年半ば、対人関係のメンタルヘルスが盛んなアメリカで、精神心理学者ハーバート・フロイデンバーガーのケース分析の中で初めて使われました。
1970年代はヒューマンサービス(対人サービス)の需要が増えた年代。このあたりから、リストカットやうつ病など、いわゆる心の病が少しづつ見られるようになってきました。
そしてこのヒューマンサービスには、「無形のもの(サービス)」を提供する、という特徴があります。
上に挙げた介護職、看護師、教師がまさにそうであり、そしてこれらの職業は、年々需要とサービスの過剰な負担が増加しているのです。
過酷なサービス競争の中で、ヒューマンサービスに従事している人の1人の仕事量がどんどん増え、色んな心の病気が発生し始めているのです。
ヒューマンサービスは人間対人間
なぜ、ヒューマンサービスに従事する人に燃え尽き症候群が多いのでしょうか?
それはヒューマンサービスが、
- ・相手によって感情を左右される
- ・自分の気持ちより相手本位の行動が求められ、相手の問題解決のためには、じっくり1対1の正面から向き合う必要がある
- ・仕事全体のさまざまなプレッシャーが激しい
といった特徴を持っているためではないでしょうか。
自分が従事している仕事の中で、感情を揺さぶられ、自分の気持ちより相手の気持が優先される。
そして精神的エネルギーが失われていくのと同じように、仕事に対する意欲や関心を失っていく。
そのような流れが、燃え尽き症候群(バーンアウト)と称されるようです。
燃え尽き症候群の3つのパターン
「燃え尽き症候群」は、一般的に次の3つに大別されます。
熱狂型燃え尽き症候群
このタイプの燃え尽き症候群にかかる人は、仕事はバリバリこなすのですが、自分自身を限界にまで追い込むので、周りや自分に対する不平不満と肉体的限界により発病します。
中には会社の規則や役割、対人関係でさえ、自分が想像していたものと合致しないと「自分の目標を阻むもの」と考えてしまい、それに対する不平不満で心情がいっぱいになります。
挑戦不足型燃え尽き症候群
このタイプは、満足のいく成果を上げることに失敗することで仕事への情熱が失われ、見返りが少ないように感じたり、仕事や人間関係を避けてしまうようになったりして発病します。
疲れ果て型燃え尽き症候群
このタイプは、仕事上で達成したい目標や欲求があるのにも関わらず困難さを過度に感じてしまい、次第にその仕事から目を背けるようになってしまい、次第に疲れ果てて発病します。
どんな症状があるの?
燃え尽き症候群になると、どのような症状が見られるのでしょうか。
身体的特徴
- ・吐き気や不眠
- ・アルコールの量が増え、少しのことでもイライラする
- ・食欲不振、息切れ、頭痛や腰の痛み
- ・胃腸障害や高血圧
などが出てくるようになります。
精神的特徴
- ・朝、会社に行くのが嫌になり、自分以外の人に対して無関心やいらだちを覚えるようになる
- ・自分以外を、自分が目標を達成する阻害要因として見るようになってくるので、仕事への達成感が減少し、突然辞表を出したくなったり(実際に退職したり)する
- ・自分に自信が持てなくなるので、他者との関わりを避けるようになり、次第に人間関係が苦痛になったり希薄になったりする
引き起こす原因は?
それでは、「燃え尽き症候群」が発生しやすい原因には何があるのでしょうか?
個人的資質
こうした職業はサービスを提供するにあたって、成果が見えにくく、仕事のゴールが非常に曖昧です。
人材に関しては常に需要が供給を上回っており、現場は慢性的な人手不足の状態。
介護や医療などでは人の命を預かる場合も多いので、対峙する人との信頼関係が不可欠であり、そのための情緒的エネルギーが必要となります。
このようにヒューマンサービスに従事する人は、「優しく」「責任感が強い」傾向にあります。
ひたむきに自分以外の人と対峙し、その問題解決をはかり、思うようにならない人間関係。
このような仕事では、自分自身に強さがないと、自らを責める結果となり、自分で自分をすり減らしていきます。
環境要因
それでは、環境原因はどうでしょう。
まず、現在のヒューマンサービスは常に人手不足で、すべての職場で「バーンアウト」に陥りやすい環境となっています。
月末月初になると大変で、休みの時に出勤したりします。
仕事中は常にご利用者様や周りの仲間から自分の仕事を見られていて、1人で仕事をしている場面がありません。
このため、休憩がキチンと取れないとずっと緊張感を持ったままになります。
また、このような職場は「緊急性」も求められます。
人の命がかかっているので(特に介護職、看護士、保育士など)、緊急の場合「今、休みだから」と招集を断れません。
このような人的要因と環境原因が折り重なり、他者との関わりの煩わしさ、自分との関わりの煩わしさが、バーンアウトを引き寄せる原因となっています。
燃え尽き症候群、克服方法は?
現在の医療では、残念ながらこの燃え尽き症候群を完治させるような特効薬はありません。
しかし、発症しないように防ぐことは出来そうです。
適度に身体を動かし、朝起きることを心がける
バーンアウトになりそうな時には、外に出たくないものです。しかし、日常生活に軽い運動を是非取り入れてみて下さい。
心地よい疲れが質の良い睡眠に導き、質の良い睡眠があなたのバランスを保って、バーンアウトになることを防ぎます。
生活にリズムが出来るので、朝にきちっと目覚められます。
特に夜勤がある人は、休日に身体を動かしてバランスを取らないと、夜勤がない日の夜に眠れなくなります。
食事をきちんと取る
燃え尽き症候群になると、自分の価値がとても小さいものに見えて、服装や外見もどうでも良くなり、食事にも気を使わなくなります。
手軽に食事をすまそうと考えたり、めんどくさくなったりして、お菓子やインスタント食品を摂取しがちです。
自分でも気が付かないうちに食事に偏りが出てきて、体調を崩し、臥せってしまうのです。
食事に偏りが出てきたら、意識的に直していきましょう。
自分にはこの経験が必要だと考える
私達は、私達の遭遇した経験を頭で「良いこと、悪いこと」と判断していきます。
しかしこの世には、実は「悪いこと」は存在しないのです。「成長できる」機会だけが存在しています。
物理学の世界に、「電子対創成」という現象があります。
これは「ガンマ線」と呼ばれる強い光から、突然プラスの電荷を持った「陽電子」とマイナスの電荷を持った「陰電子」が生まれてくる現象です。
「陽電子」だけ存在することは出来ず、同じ量の「陰電子」も出来ます。
また、「電子対消滅」という現象もあります。
これは、「陽電子」と「陰電子」が一つになるとき、ふたたび「光」が生まれてくる、というものです。
(田坂広志 「風の便り」より)
自然界には無駄なものは存在しません、
この現象が自然の理なら、「喜び」と同じ量の「悲しみ」も生まれてくる、ということになります。
そして私達の仕事は、この「光」を発生させることと同じではないでしょうか。
この現象は、私たちの経験に無駄がないこと、そして、私たちがどうすればよいかを伝えてくれているような気がします。
まとめ
私たちは経験することから何かしらの恩恵をもらっています。
それには、目に見えるもの、見えないものと2種類あり、実は見えないことのほうが重要です。
私の周りでは、うつや燃え尽き症候群を克服し、その経験をもとにカウンセラーを行っている人が多数います。
病気にかかっているときには財産と思えなかった出来事が、実は財産だったと、今思えるそうです。
闇を抜けた先には光があります。
そこだけに焦点を当てられるための方法を、これからも具体例をあげて、投稿していきます。
現在は、ご利用者様へのサービスの向上には、介護従事者がまず充実することが必要だと考え、某施設で管理者をやりながら「日常生活に役立つワーク」や個人カウンセリングを行っております。
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記事を書いてお答えいたします。(貴方の経験が他の人の光になる)
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