介護の知識

今から考えておきたい!住宅改修のハウトゥ

介護保険を適用できるサービスのひとつに、「住宅改修」があります。
在宅介護サービスの利用者が自立した生活を送れるようにするための、リフォームを支援するというものです。
ケアマネジャーが相談を受けることの多いサービスでもあります。

今回はこの「住宅改修」について、細かく解説してまいります!

住宅改修とは?

住宅改修
住宅改修とは在宅介護サービスの利用者が自立した生活を継続して送るために、小規模な住宅のリフォームを行った際、介護保険からその費用が支給されるサービスです。
生活する上で不都合な部分を改修する費用を支給して、利用者が生活しやすく、また介護者が介護しやすい住環境を整えることを目的としています。

20万円の上限のうち、利用者が負担するのは1割ほど。なお、限度額に達するまでは数回に分けて利用できます。
上限を超えた分はすべて自己負担ですが、地域によっては独自の住宅改修補助制度を利用できることもあります。

誰が対象者になるの?

住宅改修のサービスを受けられるのは、以下の条件を満たす利用者になります。

  • ・要支援、または要介護と認定されている
  • ・福祉施設に入所もしくは病院に入院していない
  • ・改修する住宅の住所が、被保険者証にある住所と同じ

つまり、住民票の住所で暮らしている要支援・要介護の方が対象となります。

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住宅改修の種類

住宅改修 種類
住宅改修費支給の対象となるのは、以下のリフォームになります。

手すりの取り付け
屋内における転倒防止や移動・移乗動作のために設置します。
段差の解消
敷居を低くする工事やスロープを設置する工事、 浴室の床の嵩上げなど、屋内にある床の段差を解消するための住宅改修を指します。
滑り防止・移動の円滑化のための床材変更
屋内の床材を滑りにくいものに変えます。
居室では畳敷から板製床材、ビニール系床材等への変更。浴室では床材の滑りにくいものへの変更。通路面においては滑りにくい舗装材への変更などが想定されます。
引き戸などへの扉の取替え
扉全体の取替えの他、ドアノブの変更や戸車の設置なども含みます。
便器の取替え
和式トイレから洋式トイレに取替える場合などを指します。
その他
上記の改修に付帯して必要となるリフォームがあれば行います。

住宅改修の一例

玄関(外側)

住宅改修 玄関外
外壁やドアまでのアプローチに手すりを設置する
スロープを設けて段差をなくす
玄関ドアを引き戸にする
足元灯や玄関灯を設置する

玄関(内側)

住宅改修 玄関
靴を着脱するための腰掛けや手すりを設置する
段差の解消に踏み台を置く
床をすべりにくくする
車いすでも出入りしやすいよう、段差解消リフトを設置する

階段

住宅改修 階段
手すりを設置する
すべりにくい加工をする
夜間の転倒防止に、段差が目立つ工夫をする
階段昇降機を設置する

浴室

住宅改修 浴室
浴室に手すりを設置する
脱衣所と浴室の段差を解消する
転倒防止に床をすべりにくくする
脱衣所に腰掛けやいすを置く

トイレ

住宅改修 トイレ
立ち上がりを楽にするために、洋式に取り換える
手すりを設置する
介助スペースを設ける
ドアの開口幅を広くする
ウォッシュレットを設置する

サービス利用の流れ

住宅改修のサービス利用の流れは以下の通りです。

  • 1.住宅改修について利用者とケアマネジャーで相談
  • 2.改修事業者が家の下見に来る
  • 3.住宅改修プランの作成
  • 4.申請書類の一部提出・確認
  • 5.施工・完成
  • 6.住宅改修費の支給申請・決定
  • 住宅改修に必要な書類

    住宅改修

    1.施工前に必要なもの

    • ・住宅改修が必要であることを証明する理由書
    • ・工事費見積り書
    • ・工事予定箇所が確認できる図面
    • ・住宅所有者の承諾書(利用者、利用者の配偶者が所有者である場合は不要)
    • ・支払金口座振替依頼書(償還払いの場合。利用者名義の銀行口座を記入)
    • ・受領委任にかかわる委任状(受領委任払いの場合。介護事業者に保険給付分の受領を委任するもの)
    償還払いとは、利用者が住宅改修の費用を事業者に支払い、後で9割分を払い戻してもらう方法のことを言います。
    それに対して受領委任払いは、始めから費用の1割を支払うだけの方法です。
    最終的にかかる負担額はどちらも同じですが、基本的には「償還払い」で請ける事業者が多いです。

    2.施工後に必要なもの

    住宅改修費を申請するために、以下のものが必要になります。

    • ・事前申請確認書
    • ・領収書
      • ※償還払い:全額支払った、本人宛てのもの
      • ※受領委任払い:自己負担額が示された、本人宛てのもの
    • ・工事内訳書(行なった工事内容を記入した、本人宛てのもの)
    • ・工事箇所ごとの改修前、改修後の写真(撮影日が記載されているもの)

    住宅改修の理由書とは?

    住宅改修の理由書は、ケアマネジャーが用意します。
    住宅改修 理由書
    住宅改修 理由書

    こちらは台東区のホームページでダウンロードできる理由書の書式です。
    利用者の身体状況や介護状況を詳しく記載した上で、まず「住宅改修によって日常生活をどう変えるか」ということを記入しましょう。
    その後で排泄や入浴といった各動作項目に対し、どんな動作を改善したいのか?何が今困難なのか?改修する目的・期待する効果は?そのためにどこを改修したいのか?といったことを埋めていきます。

    【例】
    活動 改善しようとしている動作 具体的な困難の状況 改修目的・期待効果と改修の方針 改修項目
    入浴 浴槽の出入(移乗含む) 下肢部に麻痺があるため、浴槽に入る際のまたぐ動作で転倒する危険性がある。 浴槽内へ入る際のまたぐ動作を安定させ、転倒を予防する。 段差解消のため、居室から土間への出口に踏み台を設置する

    住宅改修費の目安

    住宅改修 費用
    各事業所によって費用は異なりますが、住宅改修にかかる自己負担分の費用をご紹介します。

    【住宅改修費の目安】
    玄関 車いす用のスロープの設置 47,330円
    トイレ 段差の解消 19,500円
    洋式便器への変更 52,500円
    浴室 扉を二枚戸にして開く幅を広げる 13,125円
    腰掛付きの浴槽への変更 89,250円

    参考:安心介護

    住宅改修の注意点

    住宅改修 注意
    住宅を新築する場合は支給対象になりません。
    また増改築の際は、廊下の拡幅にあわせた手すりの取付け、トイレの拡張に伴う便器の取替えなどに限って支給対象となります。
    また利用者が自ら材料を購入し、本人・家族によって住宅改修が行われた場合は、材料の購入費が支給対象となります。

    まとめ

    いかがでしたか?
    介護予防のため、自立支援のため、住宅改修のサービスはこれからますます需要が高まっていくことでしょう。
    ぜひぜひ参考にしてくださいね!

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