桜舞う季節、多くの新社会人が新たな環境で働き始めています。彼らはこれからの日本を背負っていく、宝物達です。
しかし近頃、介護の世界に足を踏み入れようとする若者がいなくなってきている、と言われています。
介護事業所の経営者が集まると、「いい人が集まらない」「すぐ辞めてしまった」という話が必ず出るほど。
最近では介護福祉士養成学校や介護職員初任者研修でも、受講者が少なくなっている状態だそうです。
目次
数字で見る「人手不足」
厚生労働省の資料によると、
- 訪問介護員→常勤職員14万人/非常勤職員33万人
- 訪問介護以外の指定事業所で働く介護職員→常勤職員88万人/非常勤職員35万人
- 宿泊業・飲食サービス業→30.4%
- 生活関連サービス業・娯楽業→23.7%
- 「介護の仕事は大変だ」
- 「認知症問題は大変だ」
- 「介護職員が虐待をした」
- 「おいしい食べ物の店ができた」
- 「行列のできる店はここだ」
- 「テーマパークのアトラクションができた」
-
となっています。
それぞれの離職率は訪問介護員で14.0%、介護職員で17.7%です。
これに対し、全国雇用動向調査による全ての労働者に対する離職率は15.6%。
さらに産業別離職率を見ると、
と、決して医療・福祉の離職率だけが飛び抜けて高いわけではないことがわかります。
結局はどの業界でも、人材不足が起きているということですね。
介護職ばかりが「万年人手不足」のイメージなのは……
では、なぜ介護人材が特に不足している!というイメージが先行しているのでしょうか。
それはずばり、介護の現場からの発信がマイナスなものばかりだからです。
というニュース、探すのに苦労しませんよね。ちょっと検索をかければ、介護職のマイナスイメージはわんさか出てきます。
しかし離職率が最も高い宿泊・飲食サービス業では、
など、いいイメージのニュースが圧倒的に多いのです。
今こそ立ち上がる時だ、介護職
この介護職のマイナスイメージを払しょくするには、介護業界がもっと一般市民に開放的になり、近隣住民と共に活動をしていくことが必要です。
介護に限らず福祉は、今まで壁を作って運営されていました。
利用者は一般の人と隔離された施設内で過ごし、近隣の人は利用者が施設でどのような活動をしているのか知らない。
このような状況を、私は変えていきたいのです。
これから介護福祉の世界を目指す人たちには、開かれた介護が行えるよう、ぜひ声を上げて欲しい。
また今働いているスタッフも、一緒になって開かれた現場になるよう改善していって欲しい。強くそう思います。
決められたことしかやらない介護はやめにしましょう。
私たちの相手は、物ではなく、人なのですから。