介護の知識

サービス担当者会議、進め方のコツ【悩めるケアマネ、必見!】

ケアプランを作成したケアマネジャーが、利用者に関わるサービス機関の担当者を集め、ケアプランの内容を検討する「サービス担当者会議」。その目的は、

™1)利用者やその家族の生活全体およびその課題を共通理解すること
™2)地域の公的サービス・インフォーマルサービスなどの情報共有をし、その役割を理解すること
™3)利用者の課題、その利用者の生活機能向上の目標、支援の方針、支援計画などを協議すること
™4)介護予防ケアプランにおけるサービス事業者等の役割を相互に理解すること
出典:厚生労働省

と、あります。
ケアマネジャーの大切な業務の1つですが、サービス担当者会議への苦手意識が強い方も実は少なくありません。
今回は、サービス担当者会議の進め方のコツについて、ご紹介致します。

司会進行、苦手なんです……

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サービス担当者会議の司会進行が苦手なケアマネジャーは、主に下記5点について悩んでいる方が多いようです。

会議の司会、ココが苦手…
□ 進め方がそもそも分からない
□ 口下手で緊張してしまう
□ 重苦しい沈黙が耐えられない
□ 話が脱線すると収拾できない
□ 司会と書記の同時進行が大変

複数の人の前で話し、全体をまとめなくてはいけないケアマネジャーとしては、プレッシャーを感じてしまいますよね。
これらについて、どんな解決方法があるでしょうか?

苦手意識を克服! 解決策

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進め方がそもそも分からない

サービス担当者会議は、概ね以下のように進めます。
1.あいさつ
多忙の中招集に応じてくれたことへのお礼と、今回の会議の目的、終了予定時間を話します。
終了予定時間を明確にしておくことで、限られた時間を有効に使えるよう意識してもらいやすくなります。

2.自己紹介
初回ケアプラン検討の場合や、初めての参加者がいる場合は、まずは自己紹介をしてもらいます。

3.議題の検討に入る
資料をもとに議題の検討に移ります。この時、専門用語の多用や、うつむきながら資料を一方的に読み上げることは避けましょう。
ゆっくり、はっきり話すことを心掛け、参加者と時折アイコンタクトを取りながら話すと、発言しやすい空気を作れます。

4.議題ごとに結論をまとめる
議題ごとに一旦区切って結論を取りまとめ、利用者・家族が出席している場合は、心配な点や意に沿わない点がないか確認します。
一つ一つ区切って疑問・質問・補足を小出しにしてもらうことで、後から議論が戻ったり脱線したりする事態も起にくくなります。

5.全体をまとめる
各議題の結論について改めて言及し、参加者全員の認識に違いがないか、最後に確認をします。
結論が出なかった問題や、新しく発見された課題については、いつまでに報告がもらえそうか、担当者と期日を決めておくと良いでしょう

6.アフターフォロー
参加者全員にいま一度集まってもらった感謝を伝え、後日、会議で決まった内容を記した記録を送ります。
利用者・家族が会議に参加できなかった場合は、プランの内容を説明して、変更の必要がなければ承認をもらいます。

口下手で緊張してしまう

「上手く話さなきゃ」「手際よく仕切らなきゃ」と気負う必要はありません。
サービス担当者会議は、利用者・家族が望む生活をサポートするためのもの。目的ではなく手段です。
会議というよりはミーティング・座談会の意識で、「良いチームを作ろう」という姿勢を大切に。

なるべく初回の会議前に事業所に訪れ、各担当者に直接あいさつをしておくと良いでしょう。
訪問が難しい場合は、電話で声を聞いておくだけでも気分が楽になるはずです。
2回目の会議以降も、日頃からこまめに担当者と連絡を取り合っておくことで、緊張は次第に緩和されていきます。

重苦しい沈黙が耐えられない

沈黙が必ずしも悪いわけではありません。入ってきた情報と自分の考えを整理する時間も必要です。
皆が黙り込んでしまったら、「○分考える時間を取りましょう」等と言い、しばし後に「そろそろどうですか?」と促します。
沈黙によって何を考えれば良いか自体があやふやになってしまった場合は、「ちょっと整理したいので、一番最後に発言した○○さん、申し訳ありませんがもう一度話して頂けますか?」等と呼びかけ、沈黙前の状態から再開を試みてみましょう。

話が脱線すると収拾できない

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会議中の方向性を正す便利な4つのフレーズを紹介します。
「本当はもっと聞いていたいのですが、本題に戻しますと…」
「大切なお話ですね。もっと時間が取れる別の機会に、じっくり聞かせて頂けますか」
この2つは、本題からずれた話を続ける人に対して「あなたの話に興味がある」姿勢を見せることで、後味を悪くせずに方向を修正できます。
「今までのお話を整理させて頂きますと…」
議論が活発になるのは良いことですが、あちこちに話が飛躍してしまった場合は、上記のように切り出して本筋に戻します。
「他の方の意見もぜひ伺いたいですね。どなたかいかがでしょう」
同じ人ばかりが発言していると、議論が偏ってしまいます。「大切な話だからこそ、他の人の意見も聞きたい」という姿勢を見せることで、角も立ちにくくなります。

司会と書記の同時進行が大変

頼める同僚がいれば書記役を依頼します。
依頼が難しい場合は、ICレコーダーやスマートフォンで録音し、後から記録を取ります。
多少時間はかかってしまうものの、会議中は司会進行に集中でき、記録もより正確につけられます。
録音に関しては、参加者の同意を取りましょう。

まとめ

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会議の司会進行はかなり重いプレッシャーになりますよね。
「会議を上手に運営すること・きちんと仕切ること」に捉われる必要はないので、利用者・家族の目線を大切に、参加者が可能な限り自由に・気軽に意見を言える状態を演出することを心掛けたいですね。

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