介護の悩み

【介護の職場改善】同僚を責めず、まずは受け容れることから始めませんか?

初めまして、株式会社リ・ライフ代表取締役の澤田千賀子と申します。

今回ご依頼を受けて、一体何をお話しすればいいのだろう?と正直なところ悩みました。皆さんが、初めて介護の現場に就職する時や、転職する時は、何を重視して選びますか?給与面・人間関係が上位を占めるのかと思うのですが、どうでしょうか?

一人の辞職から始まる負のスパイラル

私の会社は、平均年齢が60歳位と社員の年齢層が高いため、社内にはのんびりとした雰囲気が漂ってます。採用時には技術や資格よりも、人間性や周りとの和が保てることを条件と考えています。
若い社員は、その雰囲気に馴染み過ぎるのも良くないのかもしれないですが、他の会社等で、人間関係で傷ついて転職してこられる方にとっては、非常に癒される空間になっているようで、1年余りで自信を取り戻して元の希望職種に戻られる方も多いです。
人間関係がうまくいかないと、やる気を維持してゆくのって、かなり大変なことですよね。今後益々人手が足らなくなり、皆さんの仕事が忙しく、大変になることが必然的に予測されます。

一人職員が辞職しても補充がなかなか出来ない。新しい職員が入っても、即戦力にはならず、慣れて一人で介助が出来るようになるまでは、他の職員にその分の労力が要求されてしまい、そのストレスを表出させてしまうと、また誰かが退職してゆく・・・と、どんどん負のスパイラルにハマり込んでしまいます。

職場の皆が、辞めないで頑張れる職場作りの努力をしないと、結局は自分に降りかかってきます。勿論、経営者や管理者の力量も問われるのですが、一人一人の職員の努力なしにそこから抜け出すのはかなり難しいのです。

心に余裕が生まれれば、職場はうまくまわっていく

皆さんは、養成の過程で、ご利用者様とのコミュニケーション技術として「受容」と「共感」って習いましたよね。覚えていますか?あの技法を、自分と接するすべての人に使ってみて欲しいのです。色んな場面で良い変化をもたらします。

職場の同僚同士、自分の上司や部下、他事業所の職員さん、目線を変えて心に余裕を持ってお互いが接してゆけるようになると、職場の雰囲気や他業種との連携の取りやすさが変わってきます。
同じ職場の職員同士でも、一生懸命取り組んでも仕事の出来に違いが生じます。それを責める事より、まず「受容」する事から始めて欲しいのです。のびのびと働ける雰囲気になると、予想以上に、実力を発揮し始める人も、結構居るんですよ。

是非、「受容」と「共感」のちょっとした心構えを実践していただければと思います。マンパワーを上手く活用するためにも、自分自身が仕事を楽しく感じながら働けるようになるためにも、です。

ABOUT ME
澤田千賀子
主任介護支援専門員(基礎資格 准看護師・介護福祉士)株式会社リ・ライフ代表取締役。公務員退職後、8年程育児と家族介護(祖父・伯父・伯母・父のターミナルケア)を体験した後に仕事復帰。介護職・看護職・介護支援専門員を経て平成22年に現在の会社を設立し現在に至る。「初心を忘れてはいけない」という観念より、現在も訪問介護員や派遣看護師として休みの日に走り回っています。また、介護職についての心構えを養成中に習得して欲しいと考え、実務者研修・初任者研修等の養成学校に非常勤講師として勤務し、介護職としての倫理観の啓発に努めています。僻地医療従事を体験した事で、観察の視点がパーツではなく、独自の全人的であることが自身の強みだと思っています。