LGBTという言葉をご存知でしょうか。
性的少数者の総称のひとつで、約13人に1人が当事者とのデータがあります。これは、左利きやAB型の人と同じくらいの割合です。決して珍しい存在ではないLGBT。
介護業界にも、利用者さんとして、職員として必ずいるはずですよね。身近な存在になりつつあるLGBTのことをぜひ知ってほしいと思います。
目次
LGBTとは
LGBTとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と身体の性に不一致を感じる人)の頭文字をとった単語です。セクシャルマイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。国際社会では「LGBT」という呼称が定着していますが、ほかにも「クィア」などの総称があります。
性について
性について考えるとき、男性・女性だけでなくさまざまな切り口があります。
主に下記の3点で考えることができます。
身体の性
性器や性腺、染色体などの身体的特徴で分けることができる性。
心の性(性自認)
自分自身の性別をどう認識しているかということ。
男性や女性、中性や性別は決めたくないと思う人などさまざまいます。
好きになる性(性的指向)
どんな性別を好きになるかということ。
異性や同性、どちらの性も好きになったり、特定の誰かを好きにならない人だったり、さまざまいます。
日本のLGBT人口
電通ダイバーシティ・ラボによると、LGBT層の比率は7.6%です。 約13人に1人の割合となります。
LGBT×介護
利用者さんがLGBTの場合
排泄介助や入浴介助といった身体介助をするとき、利用者さんの身体的な特徴があらわになります。
LGBT、とくにトランスジェンダーの方で性転換の手術をしていない人にとっては、自分のデリケートな部分を他人に見られるのは苦痛に感じるのではないでしょうか。介護をする方にとっても、「あれ?女性だと思っていたのに・・・?」と驚いてしまう可能性があります。
介護においては、利用者さんについて「知らない」ことがあると介護しづらい部分も出てくると思います。利用者さんの思いを尊重しつつ、「カミングアウト」できる環境づくりは非常に大切です。
介護職員がLGBTの場合
介護職員がLGBTの場合、悩んでしまうのは「同性介助」を希望されたときではないでしょうか。
自分の身体の性、自分の認識している性、利用者さんが認識している性・・・どの性別で介助をしたらいいの?と頭を抱えてしまうかもしれません。
難しい問題ですが、大切なのは、相手がどう感じるかではないでしょうか。
自分はこうありたい!と確固たるものがあり、譲れない場合は主張しましょう。そうではなく、相手が女性だと認識したら、女性として。男性と認識したら男性として、柔軟に対応できると介助での悩みが減りそうですね。
悩むことがあれば、事業所や施設、同僚や上司に相談しましょう。他の人には共感を得づらいかもしれない悩みでも、打ち明けることによって、きっと解決のために協力してくれるはずです。
恥ずかしいことでも特別なことでもなく、一介護員としての悩みです。仲間と一緒に、よりより環境づくりをしていってほしいと思います。
介護業界を選んでよかった!
他の職業よりも人と深く関わる介護だからこそ、きっとLGBTを受け入れてもらえると思います。
「介護業界を選んでよかった!」LGBTの方もそうでない方も、みんながそう思って働ける環境になれたらいいなと心から思います。