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どうすればよかった?人手不足の介護業界における後輩育成

こんにちは。ハム太郎です。
ハム太郎は大学卒業後、介護の会社へ就職しました。訪問介護事業所に配属され、1年が経ったころ…後輩となる新たな新卒社員がやってくることに。そこで、ハム太郎は後輩育成の難しさを痛感することになります。
今日は、ハム太郎が経験した後輩育成の難しさを語りたいと思います!

【プロフィール】
ハム太郎(Taro Hamu)
介護福祉士の資格をもつライター。博多出身。ハムスターをこよなく愛しています。高校まで博多で過ごし、大学進学を機に上京。大学時代には障害者施設でボランティア活動に取り組む。その経験を通して介護業界へ就職。これまでデイサービス、訪問介護に勤め、介護職、サービス提供責任者として経験を積む。現在は、介護職専門のキャリアアドバイザーを経て、介護を専門とするライターに転身。

介護初心者にとって厳しい環境の訪問介護

訪問介護は基本的に一対一で行うサービス。そのため施設に比べて教えてもらえる機会が少なく、身体介護スキルが向上しづらいという難点があります。介護初心者にとっては厳しい環境ですね。

私は訪問介護事業所に配属される前に、デイサービスで3カ月間の研修を受けていたため介護の基礎スキルをある程度身に付けていました。しかし、1個下の後輩たちにはそれがありません。
厳しい環境の後輩に、どう教えていけばいいか悩みました。

とりあえず、掃除や調理といった生活援助サービスを基本に同行してもらい、「他人の家に訪問してサービスを行うこと」に慣れてもらいました。

次に「起床介助からのトイレ誘導のサービス」に同行してもらいました。何度か同行しているうちにできるようになるだろうと思いシフトを組んでいたのですが…

仕事を回すことと教育どっちが大事?

なんと、いつのまにか後輩の同行が外されていたのです。
シフトを回すために早く独り立ちしてほしいという思いから私の先輩社員が、新卒の意思を聞かずに行った行為でした。
私と先輩社員がぶつかりました。
確かに、何度も同行しなくても、なんとなく介助ができる状態にはなるでしょう。しかしそうすることによって、後輩はそれが正しいかもわからない状態でサービスを行い続ける羽目になります。私は忙しさを理由に、彼女の可能性を狭めたり正確性の失った介護をしたりしてほしくなかったのです。

先輩とぶつかった結果、サービス同行は続行。
しかし、後輩が自信を持ってサービスを行えるようになる前に、サービスはヘルパーさんに引き継がれることになってしまいました。忙しい社員をいつまでもサービスに出させることはできません。また、ヘルパーさんにサービスを割り振るのもサービス提供責任者の仕事です。すぐにできなければ成長する機会が奪われます。それが訪問介護の厳しさです。

後輩は悔しさと情けなさを持ちながら、それでもめげずにがんばってくれました。

少しの失敗でNGに…うまく後輩育成できない

なかなか身体介護のスキルが上達しない後輩には、生活援助のサービスばかりが回ってきました。みんなこのままではいけないとわかってはいましたが、日々の忙しさに流されてどうすることもできませんでした。

そんな中、私の異動が決定。
私もサービス提供責任者の業務とヘルパーさんに依頼できなかった日々のサービスに追われる毎日でしたが、このまま後輩を放って異動はできないと思いました。そこで後輩には、私の身体介護サービスに後輩を同行させてもらうことにしました。
オムツ交換のサービスです。
後輩ができるようになるまでの同行の許可を利用者さんご家族にもらいました。
オムツ交換は身体介護の中でもスキルが求められる介助のひとつ。
この時の利用者さんは、認知症を発症していたため、日によって暴れたりおとなしかったりと状況が変わります。それに適応しながらのオムツ交換は、身体介護に慣れていない後輩にとってとても難しいもの。何度も根気よく教えて、後輩は少しずつできるようになってきました。

しかし、後輩はある日利用者さんのシーツに水をこぼしてしまいました。その一件で利用者さんご家族から、同行NGが言い渡されてしまったのです。

訪問介護では、利用者さんの許可なくてサービスは行えません。NGと言われてしまえば対応せざる得ないのです。
少しの失敗でも仕事や成長の機会を失ってしまう世界…それが、訪問介護というものでした。

結局、私はうまく後輩育成できず、とても悔いの残る結果となりました。
そして、私は異動。
後輩はまた、掃除などの生活援助サービスをこなす毎日に戻りました。私以外に、後輩育成を真剣にしようと思う人はいなかったのです。忙しさが、みんなに教育というものを考えさせないようにしていたのかもしれません。

人手不足が教育の機会を奪っている

後輩指導も満足にしてあげられない…このような現状では、若い人から訪問介護が敬遠されてしまうのも無理はないと思います。せめて、手厚い研修や同行ができるほどの余裕が現場にあれば…。
きっと後輩もつらい思いをせずに済んだのではないかと思います。

介護をしたくとも、きちんと教えてくれるか不安で躊躇している方もいるのではないでしょうか。そういう方を逃しているのだとしたらとてももったいないです。人手不足な環境がさらに人材を逃している…そんな現状をどうにかしたいと心から思います。

訪問介護はひとりひとりの利用者さんに寄り添った介護ができる、感動ややりがいの大きい仕事です。魅力的な部分はたくさんあります。だからこそ、できるだけ多くの人が自信を持って、介護に携われる環境になれますように。

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