前後編に分けてお送りしている、「ケアマネのお仕事」インタビュー。
前回は「居宅ケアマネジャー」について、深いお話を聞いてまいりました。
(前編:【特集】「ケアマネは介護に関わるみんなを繋ぐ」居宅ケアマネ・山根史子さんインタビュー)
後編となる今回は、「地域包括支援センター」についてです。
高齢者が住み慣れた自宅や地域で、元気に生活できるようにサポートする……それが、「地域包括支援センター」という機関の役割です。
専門職員が配置されており、必要な介護サービスや保健福祉サービス・日常生活支援の相談に応じています。
今回インタビューを受けてくださったのは、板橋区四葉地域包括支援センターに勤められている社会福祉士・三澤恵里香(みさわ えりか)さん。
「地域包括支援センターのお仕事」について、じっくりお話を聞かせていただきました!
目次
相談支援業務、どんなケースのものが多い?
まず、地域包括支援センターに配置されている専門職員の役割は、おおむね以下のようになっています。
- 保健師・看護師:主に介護予防や健康増進、認知症関連の支援など
- 社会福祉士:相談業務の専門職。主に虐待などの困難事例の防止、早期発見、権利擁護に関しての支援など
- 主任ケアマネジャー:主に地域のケアマネに対しての相談助言、あらゆる職種との連携構築など
そもそも高齢者の方は、どのようなきっかけで地域包括支援センターに相談しに来るのでしょうか?
福祉用具を借りたいとか、ヘルパーさんを頼みたいとか。病院や家族から勧められていらっしゃることが多いです。
あとは介護予防のために運動出来る場所を教えてほしいとか、宅配のお弁当を頼みたいとか、そうした介護保険のサービスに繋がるご相談がメインとなります」
高齢者の問題を、一緒に考えていく仕事
そのほかにも、地域包括支援センターでは地域に足を運んで行う活動も多いのだとか。
また、仕事内容にある「困難事例」とはどのようなものかも教えていただきました。
そういう時はご本人とゆっくり関係性を作っていって、介護保険に繋げられるのであれば繋げて、サービスを提案します。困っている方だからと言って、サービスを押し付けることはありません。
ご本人の状況とかご家族の意向を確認して、意思を尊重したサービスや支援を提供していくことを意識しています。
どうしたら解決出来るのか、を一緒に探していくのが仕事です」
一か月の間にしていること
地域包括支援センターでの月単位の業務の流れもお聞きしました。
基本は居宅ケアマネジャーの業務の流れと同じだそうです。
月初
介護保険の更新申請
実績確認、請求業務
中旬
訪問の報告書類提出、新規相談も含めた窓口対応
定期訪問、臨時訪問、モニタリング
適宜、サービス調整、サービス担当者会議開催、ケアプラン作成
給付外の方への訪問支援
出前講座開催
各連絡会への出席、普及啓発活動
月末
事業者にサービス提供票等、発送
ここで働いていなかったら、行けなかった場所がある
地域包括支援センターでの勤務は、他の介護施設や居宅介護支援事業所とはどこが違うのでしょうか?その違いを踏まえつつ、「地域包括支援センターで働いていてよかったこと」をお聞きしました。
地域包括支援センターで働いてなければ、民生委員の集まりとかにも行けなかったと思いますね」
編集後記
前編・後編と分けたこのインタビュー、いかがでしたか?
今回ご協力いただきました事業所は、ケアセンターエーデルワイス。そこで出会った職員のみなさまは、どの方も朗らかで素敵な人達ばかりでした。
情に篤く仕事にひたむきな方々が集まっておられるのだと思います。
貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました!