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ケアマネの苦手な医療スタッフとの連携、上手くいくコツ教えます!

多職種連携」という言葉、よく耳にするようになったと思いませんか?
これからの日本では高齢者への総合的なケアのために、介護と医療の連携がますます望まれています。
その中でケアマネジャーもケアチームの一員として、さまざまな職種の人と関わっていくことになります。
利用者や家族、介護サービス事業所、医師、療法士……たくさんの人と関わってケアプランを組み立てるには、高いコミュニケーション能力が求められるのです。

しかし実際のところ、どんな風にコミュニケーションを取ったらいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、特に意思の疎通が難しいであろう「医療・リハビリ職との連携」についてポイントをご紹介します!

多職種連携とは?


多職種連携とは「介護」と「医療」に携わるそれぞれの専門職がチームを組んで、よりよい介護をしていきましょう、というもの。
超高齢社会に突入した日本では特に、団塊世代が全員75歳以上になる2025年に向けて、「地域包括ケアシステム」の構築が急がれています。
地域包括ケアシステムは、高齢者が要介護状態になっても、自宅で自分らしい暮らしを続けられるよう「住まい・医療・介護・介護予防・生活支援」のサービスを日常生活で一体的に受けられる体制のこと。
今後の日本において、多職種連携での介護は欠かせないものとなっていきます。

実は上手くいってない?多職種連携の課題


多職種連携の必要性や重要性は、それぞれの専門職の間でも十分に理解されています。
しかし現状では、なかなかうまくいかないことも多いようです。
介護職と医療職の間には、「互いが相手に求めるものが、きちんと相手に伝わっていない」ことから、深い溝が出来てしまっています。
それは介護サービスと医療サービスとを組み合わせてケアプランを立てる、ケアマネジャーも例外ではありません。

しかしよりよいケアプランを立てるためには、医療職との連携は欠かせません。
ポイントを押さえて、円滑なコミュニケーションを取れるようにしましょう。

医療従事者との連携ポイント

疾患・障がいの基礎知識を身につける

医師や看護師といった医療従事者は、「生命の尊厳」にのっとった対応をするようトレーニングされています。
一つ一つの判断が疾患ベースになっていて、常に治療的な考え方になっているため、しばしば温度差を感じることもあるでしょう。
そこでケアマネジャーも疾患・障がいに対する知識を少しでも身につければ、介護・医療間の溝も埋めていけます。

医療従事者と相互利益になる関係を作る

昨今では医療現場においても、介護現場のように「高齢者の生活の質を高める」ことを求められるようになっています。
利用者の普段の様子(直近の生活習慣であったり、家庭環境であったり)は、病院にいて日頃把握が出来ない医療従事者にとって、とても貴重な情報なのです。
そこでケアマネジャーが、相手の欲しい情報を提供出来たらどうでしょうか?
医療従事者にとって有益な情報を提供する代わりに、ケアマネジャーが知りたいことを質問出来る。情報共有において、Win-winの関係を築きやすくなります。

リハビリ職との連携ポイント


理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職との連携も、ケアマネジャーとして避けて通れません。

利用者の生活ニーズを掘り下げて把握する

利用者は何が出来て何が出来ないのか、何をしたいと思っているのか、可能な限り掘り下げましょう。
たとえば「生活動作の●●が上手く出来ないのですが、改善は可能ですか?」といった風に、具体的に質問することで回答を得やすくなります。
上手くニーズが把握出来ない時は、リハビリ職と一緒に話し合って考えるようにしましょう。リハスタッフ側も困っていることは少なくありません。
双方が利用者のニーズを把握することが大切です。

顔の見える話し合いを行う

定期的にケアマネジャーとリハビリ職の間で、カンファレンスの場を設けるとよいでしょう。サービス担当者会議などを活用してもいいですね。
症例を通じて互いの専門的知見を提示し、積極的に意見交換を行うことで、職種間のギャップも乗り越えられるはずです。

そのためには日頃からメールやFAXで相談頻度を増やしておくといいですね。具体的かつ明確な内容でやりとりをすれば、自然と関係構築は出来るでしょう。
また話し合いをする時は一方的なアポイントメントをとらず、日程調整を心がけましょう。
リハビリ職は時間で個別リハビリを対応していることもありますので、アポなし訪問は厳禁です。

医療職への相談って、いつすればいいの?


医師やリハスタッフへの相談は積極的に行ってください。
「こんなこと聞いてもいいのかな?」とためらってしまうケアマネジャーもいますが、そもそもケアプランは利用者の自立支援のためのもの。気が引ける理由などどこにもありません。
ケアマネジャーが起点となり、医療と介護の橋渡しをすることが求められています。

医師への相談のタイミング

状態の変化
主病名や既往歴にある疾患が悪化、もしくは改善したなどの変化があり、ケアプランの修正が必要になった時
予後予測
利用者の予後や診断に関わる問題が生じた時

リハビリ職への相談のタイミング

目的の変化
意欲の変化、生活上の目的の変化、到達する目標の変化があった時
環境の変化
家族構成や生活スタイルの変化があった、もしくは変更しなければならない時
ADLの変化
歩行補助具の検討、移動自助具の選定、住宅改修の提案が必要になった時
ケア方針に迷いが生じた時
利用者の疾患や障がいを把握・理解した上で、適切なアドバイスが必要になった時

サービス担当者会議前にタイミングを見計らって、目標のすり合わせが必要になることもあります。
病院や施設を退院し、贅沢生活に戻ったばかりの時や、在宅での急性期にはどんな些細なことでもためらわず相談しましょう。

まとめ


いかがでしたか?
医療職との連携で大切なのは、「相手のフィールドや専門性に理解を示すこと」「顔を合わせて話し合うことで情報を共有すること」です。
利用者の話を聞くだけでなく、実際にリハビリ施設へ行ってみるのも大切な情報収集の方法。
「どのような生活を送りたいのか?」利用者を中心として、介護現場とも医療現場とも話し合っていきましょう。連携して取るコミュニケーション以上の情報はありません。
ぜひ、多職種連携でよりよいケアプランを作成出来るケアマネジャーを目指してくださいね!

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