ケアマネジャーにとっては、利用者と顔を合わせる初めての機会のことです。
今回の記事では、ケアマネが知っておきたい「インテーク」についてご紹介いたします。
目次
介護におけるインテークとは
ケアマネジャーにとっては、利用者と顔を合わせる初めての機会を意味しています。
ケアマネジャーとして働くにあたって、絶対に行う業務です。
40~50分ほどかけてケアマネジャーが丁寧に話を聴き、記録に残します。その面談内容に基づいて、利用者に対する以後の支援方針を立てていきます。
インテークでの面談内容は、以後の支援を円滑に進めていくために最も重要な情報となります。
インテークを行う目的
インテークには基本的に3つの側面があります。
面接の場面ではいずれかにポイントが置かれることがありますが、この側面を総合的に踏まえて、利用者家族への理解に努めることが重要です。
言語的情報
インテークで利用者から聞き取る内容は、基本的情報としてケアプランを考えるための大切な資料となります。
事前に許可を取って、話された内容をメモしておきましょう。
相手が記録をとられることを気にしているようであれば、話を聞くことに集中します。
終わった後で忘れないうちに書く、という配慮も必要です。
非言語的情報
つまり、視覚・臭覚・触感を用いて観察した情報です。
利用者の洋服や髪型、目線、態度、表情、声の調子や話し方、身振りなど……ケアマネが抱いた第一印象も記録しておくことが大切です。
例えば相手が髪を数日洗っていない、季節感のない洋服を着ている、などが見られた場合、身なりに無頓着であることが情報として分かります。
その原因は何かを考えることで、問題提起に繋がるのです。
関係性作り
落ち着いて辛抱強く、共感的な態度で傾聴するという姿勢が特に大事ですね。
また、自分が理解されていると実感させるようなコメントも、利用者の信頼感を増すのに欠かせません。
簡単な雑談から始めることで利用者の緊張を和らげたり、ケアマネジャーがこれから行うことを簡単に説明したり……利用者の不安をなくすような気遣いが大切です。
利用者との距離感を保ちつつ、ケアマネジャーから利用者に歩み寄りましょう。
基本的なマナー
インテークには利用者・家族からの電話、事務所への来訪など、さまざまなパターンがあります。
どのようなパターンであっても、信頼関係を築くうえで妨げにならないよう、常識的な初対面のマナーは身につけておきましょう。
電話の受け方
初めて相談の電話をかけた利用者にとっては、電話対応がそのまま事業所の印象に繋がります。そのため、丁寧な対応とはっきりした受け応えが大切です。
事業所名と自分の名前を名乗ること、挨拶をすることは基本です。もし相手が名乗らなかったら、「失礼ですが」と前置きして名前を尋ねましょう。
複雑な相談内容の場合もありますので、手元にメモ用紙を用意しておくといいですね。
利用者宅を訪問する際の服装
訪問の際の服装は、利用者に不快感を与えないことが大原則です。身だしなみに気を配り、清潔感を第一に考えます。
利用者から見た自分の印象を客観的に認識した上で、話しやすいような雰囲気を持てるよう意識しましょう。
「自分が利用者で、相手の訪問を受けるとしたらどう思うか」と考え、基本的なルールを決めておくといいですね!
名刺の差し出し方・受け取り方
事業所名と名前を名乗りながら、両手を胸の高さにして渡します。
相手からの名刺を受け取る時も、胸より高い位置で受け取ります。
利用者や家族に対しては、最初に利用者本人、次に家族の順番で渡すことを心がけましょう。
自己紹介
インテークで行われる行為の中でも、「自己紹介」の重要度はとても高いです。
事業所名と名前を告げただけでなく、ケアマネジャーとして「あなたのためにできることがあります」と伝えなければなりません。
ケアマネジャーの役割を簡潔に説明出来るよう、用意しておきましょう。
気を付けたいポイント
利用者・家族によっては、緊急性を伴っていたり不安定な状況に置かれていたり……ということも考えられます。
さまざまな可能性を頭に入れ、状況を正しく推察することが、その後のケアマネジメントを展開する上で重要になります。
「誠実な応対」を行う
大切なのはどんな訴えであっても、まずは親身にかつ冷静に耳を傾けること。
時には、具体的なサービスや介護保険で対応出来ない希望を相談されることもあります。
しかしその背後にも、問題が隠れているのです。
「なぜこの相談を持ちかけてきたのだろう?」と考えながら、誠実な応対を心がけることが大切です。
ほどよい距離感で相手の不安を取り除く
そこでケアマネジャーが仕事の忙しさにまぎれて話を聞き流してしまったり、最初から相手を非難するような発言をしてしまったりすると、相手の不安を拡大させてしまいます。
場合によっては支援の拒否に繋がることも……。
共感する目的は、相談者に関心を持っているということを伝えることです。
しかし共感のあまり急いで理解を絞り込み、安易に問題解決を請け負ってしまうことは誤解の元。
最終的に信頼関係を失うことや、利用者からの依存をもたらす結果にもなります。
あくまでも客観的に、ほどよい援助関係を築くことを意識しましょう。
「共感」と「傾聴」は利用者の問題解決意欲を高めるとともに、信頼関係を形成するはじめの一歩となります。
事業所でのルールを決めておく
特に新人ケアマネジャーにとって、インテークはとても難しい作業です。
自分の事業所で受けるのか、他の機関を紹介するのかなど、不確定な要素が多いためです。
どのようなキャリアのケアマネジャーでも「正確な判断」ができるよう、情報を整理しやすい書式を準備し、ある程度の必要項目を聞き出せる仕組みを作っておくのが望ましいです。
同時に、「判断が難しい場合は電話を折り返す」などのルールを決めておくのも良いですね。
自問自答を欠かさない
利用者だけでなく、ケアマネジャーも同じように感情を持つ人間です。
自分の感情を無視して相談者と接すると、無意識的に客観性や冷静な視点を見失い、間違った理解や判断に繋がることもあります。
ケアマネジャーは適切な距離感を持って話を聴けているか、利用者や相談に対して冷静な反応が出来ているか、自問自答することが大切です。
自己理解を深めて客観的な視点を保つために、スーパーバイザーなどからアドバイスをもらうことも効果的ですね!
まとめ
いかがでしたか?
ケアマネジャーの仕事として最初に立ちはだかるインテークも、これでばっちりこなせますね!
ぜひぜひ頼りになるケアマネとして、利用者さんとのファーストコンタクトを良いものにしてみてください。